今日は、クリエイティブなお話です。
状況立て直しの基本は、「コンパクト&若いもの重視」、というお話をしてみましょう。
風向きが変わった場合、どうすればいいか
私たちは「こうなりたいな」という夢とかビジョンを持って進んでいますが、いつもうまくいくわけではありませんよね。
それどころか、うまくいかないことが多くあって、先細りになる状況に苦しんだりすることが多いんですが。
私は、自分でビジネスをして収益を上げる場合、「風向き」を感じることが大切なように思います。
風にうまく乗ればすいすいと進めますが、逆風が吹き荒れる中だと、どんなに頑張っても進めないんですよね。
で、短期的な変化もありますが、まぁ短期はどうでもいいんですよ。
でも、「中長期的に先細りになる」っていうのは、業界にいたらすぐに分かりますよね。
それは、毎月の収入を見ても分かるでしょうし、業界の雰囲気からも分かるでしょう。
風向きがいい場合、収入も毎月増えていきますし、業界は「もっと増やそう、もっと拡大だ!」とエネルギーがあります。
逆に風向きが悪くなった場合、収入は毎月減っていきますし、業界は「生き残りをかけて戦う」みたいに険悪な雰囲気になります。
どうすれば状況を立て直せるのか
例えば漫画業界とか出版業界の場合、紙媒体の出版事業は中長期的に衰退していくのは、目に見えてますよね。
それどころか、日本国内のウェブコミックですら「もっと増やそう!」という勢いがなくなってきて、ピークを打ったような気配があるぐらいです。
すると、少なくとも「国内のウェブコミックで収益を上げる」というビジネススタイルは、この先は少しずつ下っていきそうだと予測できます。
今まではさほど実力がなくても収益にできていましたが、これからはどんどん競争になって、実力がある人とそうでない人の差が開いてきます。
そういう風に競争で勝てなくなった場合、早めに撤退を考慮して、状況を立て直す必要があると分かります。
というのも、中長期的な風向き変化はすぐには変わらないので、早めに手を打っておく方がいいからですね。
じゃあ、状況を立て直す場合、どういう考え方をすればいいのか、ということです。
それが、今日の話題である「コンパクト&若いもの重視」、という内容になります。
現在の夕張市の立て直し方針がよかった
ちょっとした記事があったので、ご紹介。
市長は年収251万「人口減」の行き着く先 夕張市長が挑む「明るい未来」(PRESIDENT Online)
10年前に財政破綻した夕張市の今のお話なんですが、この若き市長さんがやっているのがバランスのよい立て直し策だと言えます。
それが、「コンパクト&若いもの重視」ということです。
これはとても当たり前のことですが、状況を立て直す場合、「利益にならなくなってきたこと」を手放して、「利益になること」をし始める必要があります。
でも、私たちが持つ資本は有限です。
なら、「利益になること」を新しく始めるために、余裕を作る必要があります。
まずは生活規模をコンパクトにしよう
そのために、まずは生活規模をコンパクトにするわけですね。
夕張市では「コンパクトシティ」という風に街の機能を集約させることを目指していますが、言うなればこれは「一カ所にまとめることでコストを下げる」ということです。
例えば広い家に住む場合、ボールペンが1つしかないと、わざわざボールペンのある部屋まで取りに行かなければいけません。
それはすっごい面倒で、だからどの部屋にもボールペンを置くようになります。
でも、1部屋で暮らすようになれば、ボールペンは1本ですみますからね。
なら、何本も持つ必要がなくなって、無駄がなくなり、余裕ができます。
「不景気になるほど、人口は都心部に集中する」というのも、同じ原理です。
コンパクトさは、効率なんだと。
そういう風に、コンパクトシティならぬ、「コンパクトルーム」みたいな環境を作ってみるのもいいように思います。
「基本的に何でもできる、万能部屋」ですね。
すると、自分が持っている能力とか、道具とか、時間とかが一カ所に集まるので、いろんな才能を組み合わせて使うことができるようになります。
これが、新しいものを作っていく下地になります。
「若いもの」にお金と時間をかけよう
で、次に行うのが、「若いもの重視」です。
だいたい風向きが変わったから先細りになったので、「今までのもの」にお金をかけても無駄です。
風向きが変わったなら、「風向きが変わって生まれた、新しいもの」に集中する必要があります。
それが、「若いもの」ということですね。
夕張市では若い年代に投資していますし、私たちで言うと、「新しい商品、サービス、作品、考え方」に触れて、それにお金や時間をかけることです。
例えば、新しいゲームとか、新しいアニメとか、動画とか、音楽とか、製品とか、そういうものですね。
で、先細りになる業界があれば、どこかに勢いを増している業界があります。
紙の書籍が先細りになっていたら、ブログやTwitterとかが伸びていたり。
ウェブコミックに限界が来ていたら、やたら海外勢のイラストや漫画がリツイートされてくるようになっていたり。
そういう場所に、風向きが関係しているんですよね。
時にその「若いもの」というのは、「今までのもの」の一つ前、二つ前にあったものと類似していることもあります。
特に周期的に風向きが変わる業界の場合、「○年前にはやった技術が使える」ということもあるんですよね。
例えば金型プレス(いわゆる金属加工)の業界では、10年とか20年の周期で流行が一巡して戻るので、「絶対に昔使った金型は捨てるな」と言われているようで。
すると、「今までのものではなく、2~3世代前のもの」が、「若いもの」に役立つこともあると。
どちらにしても、「今までのもの」は手放す必要があって、新しいものが何かを知る必要があります。
そんな新しいことにお金や時間を費やす、ということですね。
まとめ
そんな風に、状況立て直しの基本は、「コンパクト&若いもの重視」だと言えるでしょう。
そうやって、余裕を作りつつ、新しい収益を作っていくわけです。
だいたいの場合、大きな風向きが変わったら、今までのものに手を加えても無駄です。
それは早めに手放して、新しいものに投資する方がいいようにも思います。
面白いのが、破綻した後の夕張市では、病院がなくなったにもかかわらず、がんとか心疾患の死亡率が減ったっていうんですよ。
それは、住民が「病院はあてにできない」と分かったから、「病気にならないようにしよう」と注意するようになったからですね。
すなわち、不便になったからこそ、スキルが身についたわけです。
「手放すからこそ、自立できる」ということもあるんですよね。
ちなみに夕張市は10年前に破綻しましたが、ようやく底を打ったように感じます。
だから、投資家の観点としては、「一番底値で買えるタイミング」だとも言えるでしょう。
とてもおいしいタイミングなんですが、夕張市は場所的に使いにくい立地なので、あんまり実体価値の魅力はないように感じます。
でも、どん底を打った後は上がるばかりなので、夕張市はこれからどんどん元気になっていくかと思います。
日本全体が「物質的に豊かだけど、先細りになる邪険な雰囲気」だとすると、夕張はその逆の「物質的には乏しいけど、先が開けて明るい場所」になると言えるでしょう。
すると、「夕張のような場所に移ってもいいな」という魅力もあったりもします。
どん底を経験した後の「さあ、復活するぞ! 立て直すぞ!」というエネルギーは、大きな勢いを作ってくれますからね。
ということで、今日は状況立て直しの基本は、「コンパクト&若いもの重視」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。