今日はビジネス的な、精神的なお話です。

「妄想して楽しんでいること」に注目すると、自分の強みが分かる、というお話をしてみましょう。

 

お金になるかどうかは、競争率で決まる

大好きなことをしてより多くのお金を得たい場合、独自の強みを持つと、有利になりますよね。

私がよく言うことですが、お金になるかどうかは、競争率で決まります

「市場(ターゲットとなる潜在顧客数)が大きければ稼げる」というわけではない、ってことです。

市場が小さくても、圧倒的な競争力を持っていて、市場を独占していれば、がっつり稼げます。

 

例えば出版業界で言うと、「大手の出版社から、メジャーなジャンルで、紙の書籍を出せば稼げる」というわけではありませんよね。

電子機器業界で言うと、「今スマホがはやっているから、スマホを出せば売れる!」なんて思うのは、的を外してますよね。

だって、大手がしのぎを削って開発とか広告展開をしているところに、弱小の個人や中小企業が入っても勝てるわけがないんですから。

「市場が大きい(潜在顧客数が多い)方が売れる」、「大手出版社に属さなければ売れない」なんて考えるのは、少し危ない考え方なわけですね。

 

戦争で言うと、自分よりも強い国々が戦っている場所(豊かな資源がある土地)に、小国が入り込んで戦争をして陣地を得ようとするようなものです。

それは、あまり賢いとは言いがたい政策だと分かります。

奇襲や奇策で一時的に奪えたとしても、長期的にはすぐに奪い返されるものです。

そうではなくて、兵士や国力を浪費せずに、でも確保しやすい土地を見つけ出して、そこを確保すればいいんですから。

 

市場が小さくても、競争力があれば稼げる

だから個人であったり中小企業の場合、市場が小さかったとしても、その市場を独占するほどの競争力があれば、十分に稼げます

大切なのは、「収益を生む土地を、できるだけ不要な資源を用いない(嫌なことをしない)ことで確保して、その収益を長期間にわたって得続けること」です。

 

で、その「小さな市場」を「大好きなピンポイントの領域」に絞り込めば、むしろ市場が小さいほど、大好きなことに集中できることになります。

大好きなことに集中できれば、今までの経験を有効活用できるので、比較的すぐにでも成果を上げられます。

元々競争力を持っている領域の上に、そこは競争力を上げやすい場所ですからね。

その上、お金にもなるんですから、最高でしょ。

 

だから、市場規模ではなくて、競争力(競争率)を考える方が、お金にダイレクトに直結するわけです。

簡単に言うと、「費用対効果の高い場所、すなわち『嫌なことを最小限にして、大好きなことだけができる場所』で戦いましょう。すると、勝ちやすいですよ」ということです。

時々、「大手に属せば売れる」、「新人賞に受かればお金が継続的に稼げる」、「大手に属していれば、自分のセルフイメージも、自分の能力も上がる」と思い込む人がいますよね。

それは、私には「強国が戦争をして奪い合っている土地に戦いを挑めば、我が国は強くなれる」と言っている小国の国王のように見えます。

 

まあ、国民が戦争(戦いや奪い合い)を好むのであればいいですよ。

でも、戦争が嫌いであれば、成果を出しやすい場所で勝つ方がいいと分かります。

 

「自分が妄想して楽しんでいること」に豊かさがある

なら、どうすればそんな「自分が大好きなピンポイント」で、かつ「お金になる場所(ニーズがある場所)」で、しかも「競争率が低い場所」を見つけ出せるのか。

それが、「自分が妄想して楽しんでいること」に注目する、ということです。

自分が妄想して楽しんでいることに、豊かさの源泉があるわけですね。

 

この原理は、シンプルです。

例えば私たちは、何かに触れた折りにでも、妄想して楽しむことがあるじゃないですか。

実はそれって、「すぐに手に入らないもの」になります。

だってすぐに手に入るものであれば、わざわざ妄想したりせずに、すぐにその商品なりサービスを買いあさりますからね。

それが世の中にほとんどなかったり、高価だったりして手に入りにくいから、私たちは妄想して楽しむんですよ。

 

で、「妄想して楽しむ」イコール「楽しむ方法を知っている」わけです。

そこは、自分の大好きな領域になります。

そして、自分が欲しているものであれば、だいたい同じように妄想して楽しんでいる人はいるものなんですよ。

 

なら、「妄想して楽しんでいること」というのは、「大好きなポイント」で、「ニーズがある場所」で、「でも供給量が少ない(競争率が低い)場所」だと分かります。

すなわち、そこが「お金になりやすい場所」なわけですね。

 

売れるクリエイターは、妄想をベースにしている

実は売れるクリエイターの人って、これを無意識にしているんですよ。

売れるクリエイターさんは、大好きなことを妄想して楽しむわけです。

でも、妄想だけでは我慢しきれないから、作るんですよね。

もし世の中にそれがあるのであれば、わざわざ作ったりせずに、買って楽しみますから。

だから、その作った作品は世の中には希少なもので、でもニーズがあって、しかも大好きなことなので、圧倒的なクオリティになりやすく、競争率が低い場所で戦うので、売れやすい……ということになります。

 

売れないクリエイターって、その妄想部分がないんですよね。

「妄想だけでは我慢しきれないから、作る」ということがきわめて少ないと。

逆に、「あの作品みたいなものを作ろう」とか思っちゃうんですよね。

すると、有名作品の二番煎じとか三番煎じのようなものになって、独自スタイルが確立できずに、目立たずに終わると。

 

また、変に受け狙いで売れたメジャー作家も、これを忘れやすいものです。

自分軸ではなくて、他人軸で受けを取ることを狙ってしまって、次第に自分を見失っていくわけですね。

 

それが分かれば、後は簡単なことです。

「自分の妄想部分に着目すれば、自分の強みが分かる」、ということです。

これは自分にとっては当たり前にやっていることなので、「たいしたことない」とか思いがちです。

でも、周囲から見るとすごいことだったりするんですよ。

 

例えば私の場合、先日実演したような「漫画や物語の冒頭部分から、全体のメインプロットを復元する」なんて、日常的にやってるわけです。

いわゆる、「この先どうなるかな」と展開を予測して妄想するわけですね。

私はそれを普通にやっているから、全然難しくないし、すごいことだともあまり思っていないんですよ。

でも、普通の人からすると、それは圧倒的でしょ。

 

妄想には、大きな価値がある

それと同じことを、誰もが頭の中でこれをやっているものなんですよ。

その妄想の価値に気づきましょうよ、ということですね。

 

例えば「このキャラが大好き」という場合でも、そのキャラを使ってどう妄想しているのか、ってことですね。

まぁ多くの場合、人には言えないような妄想かもしれませんが(笑

でも、それが重要なんですよ。

 

BLで妄想するにしても、百合で妄想するにしても、自分が妄想している独自の「楽しめるポイント」があるはずです。

それは、世の中にはあまりなくて、手が届く場所にいくつもあるものでもなくて、「なんでこれが世の中にはないんだろう……」って思ってることになりやすいですよね。

それこそが、チャンスとなるポイントであり、強みになり得るポイントなんだ、ということです。

キャラクターだけでなく、シチュエーションとか、いろいろあると思います。

 

まとめ

だから、自分の妄想を分析してみるといいでしょう。

すると、ある決まった傾向とか、共通ポイントがあると分かります。

それを、自分なりに商品とかサービスとして具現化するわけですね。

そして圧倒的なクオリティで仕上げることで、広まると。

 

例えば、最近知ったのでこういう「巨大ロボット×20世紀前半の東欧世界を描いたサイバーパンク絵」を描くアーティストがいると。

これとかまさに、妄想をベースとした、圧倒的世界観ですよね。

男の子なら、思わず「カッコイイ!」と言ってしまいそうな雰囲気で。

これだって、最初からこの画家さんが「この趣味でやっている妄想が、お金になる」とは思わなかったはずです。

でも、それを具現化して圧倒的な世界観ができれば、それを望んでいる人から「お金を払うので、作ってください」と言われるようになります。

 

「妄想なんかしてないで、世の中の役立つことをしなきゃ」とかいうのは、おかしいんだと。

「その妄想にこそ、価値がある」と知ることですね。

だから、どんどん妄想をして、深めて、極めてゆけばいいんですよ。

そして、「これが世の中にないなんて、我慢できない!」となったら、爆発的なクリエイティブエネルギーが出てきて、すぐに作れちゃいます。

それを売ると、やっぱり共感してくれる人が出てきて、売れるんですよね。

 

そして「売れた時ほど、初心を思い出せ」という「初心」とは、こういう部分を指すんじゃないかと思います。

自分軸が大切で、そこに価値の源泉を置く、ということですね。

 

ということで、今日は「妄想して楽しんでいること」に注目すると、自分の強みが分かる、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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