今日は、クリエイティブなお話をしてみましょう。
面白さの本質が見抜ければ、「外す」ことはなくなる、というお話です。
面白さの本質が分かれば、無駄な設定はあっさり手放せる
いやぁ、昨日の記事も、このブログにおける最長記事に迫りそうな勢いで書いちゃいました(笑
ちなみに昨日の「アゲイン!!」という作品も、このブログを見てくださっている方から教えていたんですよね。
で、そのお方から記事の感想をいただいて、「まさかタイムスリップ設定という、根幹をなす設定が無駄な設定だとは思わなかった」と言っていたんですよ。
それで私は、「ああ、言われてみれば、確かに根幹設定だ!」とか気づいたんですが(笑
根幹設定をあっさりと捨てるとか、考えてみるとすごいことですよね。
実のところ、面白さの本質が何かが分かれば、あっさりとそういう無駄な設定は手放すことができます。
そして、面白さの本質を射貫いているからこそ、「外す」ことはなくなります。
私が再構成したプロットでも、ある一定の面白さは確保できていますよね。
それは、どのプロットでも「面白さの本質」を射貫いているからです。
じゃあストーリープロットにおける面白さの本質って何かというと、それが「意味が通っていること」です。
私はよく「プロットは意味次元で考えればいい」と言ってますが、そこに意味があればいいんですよ。
それさえあれば、外すことはないんだと。
古生物の雑学が本になった!
この本質について、別の分かりやすい例があるので、ご紹介してみましょう。
先日、とある方から「こういう本があるよ」と教えていただいて、これが興味深かったのでご紹介。
古生物学の本なんですが、もうね、これって世の中に1ミリも役に立ちそうにない内容じゃないですか(笑
それが本になるんですから!
この作者さんはイラストも好きなようで、ここのサイトで図鑑のような古生物イラストを山ほど公開しているんですよね。
いやもう、本当に何でもアリだなと思うんですが。
古生物や図鑑における、面白さの本質
で、こういう面白さの本質って何かと考えてみると、「未知のものを知りたい」ってのがあるんじゃないかと思います。
なんか、こういう未知の生物とか、ワクワクしますよね。
図鑑でも花とか動物とか乗り物とかいろいろありますが、なぜ子ども心に図鑑がワクワクするのかというと、「知らないものがたくさんあるから」で。
この楽しさの本質が見えれば、図鑑でも本でも面白さを「外す」ことはありません。
この作者さんは、そのワクワクをちゃんと理解して、そこをきちんと射貫いているように思います。
例えばここのカンブリア紀のうんちく説明でも、まずは「昔はこんな風に大陸が配置されていたんだよ!」とインパクトを与えて、そして興味を持ってもらって、細かい話に進むわけです。
最初に「実は昔は、中国のすぐ隣にオーストラリアがあったんだよ」とか言われると、「うそっ!?」とか思いますよね。
それとか、このページにあるように「2億年ほど昔は、パンゲア超大陸って言って、全大陸が陸続きだったんだよ。実は2億年後の未来も、再び全大陸が集まって、パンゲア・ウルティマ超大陸っていうのができるんだよ」とか言われると。
さらに、「その2億年後には、ハマグリが二本の足を持っていて、自由に陸上を歩くように進化してるんだよ」とか言われるわけです。
すると、「マジで!?」とか思いますよね。
それは、「私たちが住んでいる場所」という身近な場所に、新鮮な驚きを与えてくれるわけで。
で、そこから「当時の地球は、こうなっていたんだよ」、「生物はこう進化していくよ」とか示されると、もう止まらないわけですね。
たとえそれが妄想だったとしても、その妄想が面白さを持ち、価値を持つようになる、ということです。
面白さの本質は、普遍性がある
それと同じように、面白さの本質は、どれも似通ったものです。
この人の本でも、まずは「今では周囲にこういう動物がいるけど、昔はこんなヘンテコな生物が実在したんだよ!」とインパクトを与えます。
そして興味を持ってもらって、自分の持つ雑学を提供して喜んでもらっていると。
身近なものとか、知っているものが「昔はこうだったんだよ」とか言われると、やっぱり興味を持ちますからね。
この本質を応用すれば、何だって興味を持ってもらえます。
例えば近所に普通のオッサンがいて、私たちはそのオッサンには全く興味がないとしましょうか。
でも、「あの人、実は昔、こういう格好をしていたんだよ」って写真を見せられて、それがすっごいヤンキー姿だったりすると、インパクトあるじゃないですか(笑
すると、「え? あのオッサンが!? なんで!?」みたいに感じますよね。
そこで「実はあのオッサンはね、昔~」とか語り出すと、いつの間にかそのオッサンに詳しくなって、「そうか、あのオッサンは、そういう生き方をしてきた人なのか」と興味深く感じていたりするんですよ(笑
オッサンについて知ったって、古生物について知ったって、日常では1ミリも役に立たないわけです。
でも、そこには面白さがあると。
それは、ちゃんと「私たちの日常触れるもの」にリンクしていて、意味が通っているからなんですよね。
私たちにとっては、意味があれば何だって面白くなって、価値あるものだと感じるんですから。
まとめ
そういう本質が見えれば、「外す」ことはなくなります。
「私はこういう日常では1ミリも役に立たないマイナーなことがが好きで好きでたまらない!」と思っていても、本質は「日常にリンクしている意味あるもの」だったりするんですよね。
すると、人生で意味あるものとして扱えるので、価値が見えてきます。
なら、後はどんなにニッチでマイナーな雑学を語ろうが、成功します。
古生物の本なら、まずは私たちが知っているものを前面に出して、インパクトを与えて興味を持ってもらえればいいと。
ストーリープロットでも同じで、プロットでは意味が通っていさえすれば、面白くなります。
逆に、昨日のように意味が通らないような「タイムスリップをする」という設定は、簡単に捨てられるようになります。
「面白さの本質」というのは、そういうものです。
これは全然難しいことではなくて、いつも言うようにシンプルに考えれば簡単に分かることです。
「あ、実はたったこれだけを実現できれば、面白くなるやん!」と簡単に気づけば、本質はすぐに見えます。
すると、「外す」ことはなくなるんじゃないかな、と思います。
ということで、今日は面白さの本質が見抜ければ、「外す」ことはなくなる、というお話でした。
今日はここまで~。
(追記)
ちなみに昨日の記事で、タイムスリップ設定をメインとして扱う場合、メインプロットは「不必要な力を手に入れる」(ネタ帳4巻収録)になります。
その場合、どういう展開になるのかが気になる方は、そちらを見てみるといいかと思います。