今日は、ビジネスのお話をしてみましょう。
「有料アプリ」は終わったのか、というお話です。
有料アプリの時代は終わったのか?
こういうツイートがあったので、ご紹介。
「スマホ向け有料アプリで、稼げるのか?」という内容ですが、「好調な人もいるし、不調な人もいる」という結論です。
海外インディー開発者に「有料アプリの時代は終わったか?」聞いた記事。
有料ダウンロードでも「人が雇えるくらい」順調な人もいれば
有料とフリーミアムで出し比べたら「明らかにフリーミアムが稼げた」という結果の人も(図は意訳まとめ)https://t.co/ZDMsex0Wwh pic.twitter.com/IFK3wjOyYg
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) December 1, 2016
「フリー化」か「ニッチな有料アプリ」かの二極化していく時代
私から言うと、今売れていようがどうであろうが、これからの有料アプリ産業は全体として衰退していくでしょう。
そして、業界内では「フリー化」か「ニッチな有料アプリ」かの二極化していくと。
これは、時代の流れを見れば分かります。
PCのソフトウェア産業もこれと同じで、PCが出てきてWindows95とかの時代は、Windows対応のソフトウェアを作ればだいたい誰もが売れていました。
それは、その当時はソフトウェアそのものが全然なかったんですよ。
多くの人が、「PCで何か処理をさせたい場合、自分でプログラムを作る」と考えていた時代です。
需要に対する供給が少なかったから、少し狙えばいくらでも欲する人がいたんですよね。
こうしてフリー化とニッチ化が進んでゆく
でも、Windows2000ぐらいの時代になると、だいたい必要なソフトは出そろってきます。
すると、基本的なソフト(最初はブラウザとか、テキストエディタとかオフィスソフトとか)から、次第にフリーウェアやオープンソース化してゆきます。
フリー化する場合、パトロン(後援団体)を得るとか、別の有料商品(有料の上位版とか、アイテム課金とか、企業や商品とか)の広告として用いられることで、収益を上げます。
一方で有料ソフトは、よりニッチなものにすることで、収益を上げます。
こうして「フリー化」と「一部の有料ソフトのみ売れる」という二極化になってくわけですね。
で、スマホアプリ業界は、今は「誰もが稼げる」→「一部の人のみ稼げる」という時代になった段階です。
すると、業界全体としては衰退していって、大衆向け(フリーもしくは低価格アプリ)が爆発的に売れるか、マニア向け(高価格アプリ)が長期的に売れるか、という流れになっていくでしょう。
次の標準は、ニッチなものから出てくる
そして次の標準は、そのニッチな中から出てくるでしょう。
例えばソフトウェア産業は、「大型機械→小型端末」へと価値が移っています。
以前はIBMなどの大型スーパーコンピュータから、企業向けのコンピュータ、そして個人向けのPC(Windows)向けが主流になり、その後にスマホが来たという風に、小型で個人向けになる流れですね。
大型スーパーコンピュータが主流のとき、新たに出てきた企業向けのコンピュータは「大型スーパーコンピュータを、よりニッチにしたもの」だと言えます。
企業向けコンピュータが主流の時は、新たに出てきたPCはさらに「企業向けのコンピュータを、よりニッチにしたもの」と言えます。
そうやって、主流が移り変わっていくわけですね。
まとめ
これはゲーム業界だろうが、漫画業界だろうが、どんな業界でもだいたい同じです。
メジャーな低価格化路線を走るか、ニッチな高価格路線を走るか、という流れですね。
そして次の時代の主流は、ニッチなものの中にある、ということです。
というか、これは生命の進化でも同じじゃないかと思います。
「四本足で巨大な肉食獣」というメジャーな弱肉強食的な進化を遂げるか、「翼を持つことで、空という独自の世界を得る」というニッチな進化を遂げるか、という違いですね。
そうやって生命が進化してきたのと同じように、私たちの業界も進化している、ということです。
この流れが分かれば、自分の業界でも次のチャンスがどの辺にあるのか、見当をつけられるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「有料アプリ」は終わったのか、というお話でした。
今日はここまで~。