今日は、ビジネスのお話をしてみましょう。

「有料アプリ」は終わったのか、というお話です。

 

有料アプリの時代は終わったのか?

こういうツイートがあったので、ご紹介。

「スマホ向け有料アプリで、稼げるのか?」という内容ですが、「好調な人もいるし、不調な人もいる」という結論です。

 

 

 

「フリー化」か「ニッチな有料アプリ」かの二極化していく時代

私から言うと、今売れていようがどうであろうが、これからの有料アプリ産業は全体として衰退していくでしょう。

そして、業界内では「フリー化」か「ニッチな有料アプリ」かの二極化していくと。

 

これは、時代の流れを見れば分かります。

PCのソフトウェア産業もこれと同じで、PCが出てきてWindows95とかの時代は、Windows対応のソフトウェアを作ればだいたい誰もが売れていました。

それは、その当時はソフトウェアそのものが全然なかったんですよ。

多くの人が、「PCで何か処理をさせたい場合、自分でプログラムを作る」と考えていた時代です。

需要に対する供給が少なかったから、少し狙えばいくらでも欲する人がいたんですよね。

 

こうしてフリー化とニッチ化が進んでゆく

でも、Windows2000ぐらいの時代になると、だいたい必要なソフトは出そろってきます。

すると、基本的なソフト(最初はブラウザとか、テキストエディタとかオフィスソフトとか)から、次第にフリーウェアやオープンソース化してゆきます。

フリー化する場合、パトロン(後援団体)を得るとか、別の有料商品(有料の上位版とか、アイテム課金とか、企業や商品とか)の広告として用いられることで、収益を上げます。

一方で有料ソフトは、よりニッチなものにすることで、収益を上げます。

こうして「フリー化」と「一部の有料ソフトのみ売れる」という二極化になってくわけですね。

 

で、スマホアプリ業界は、今は「誰もが稼げる」→「一部の人のみ稼げる」という時代になった段階です。

すると、業界全体としては衰退していって、大衆向け(フリーもしくは低価格アプリ)が爆発的に売れるか、マニア向け(高価格アプリ)が長期的に売れるか、という流れになっていくでしょう。

 

次の標準は、ニッチなものから出てくる

そして次の標準は、そのニッチな中から出てくるでしょう。

例えばソフトウェア産業は、「大型機械→小型端末」へと価値が移っています。

 

以前はIBMなどの大型スーパーコンピュータから、企業向けのコンピュータ、そして個人向けのPC(Windows)向けが主流になり、その後にスマホが来たという風に、小型で個人向けになる流れですね。

大型スーパーコンピュータが主流のとき、新たに出てきた企業向けのコンピュータは「大型スーパーコンピュータを、よりニッチにしたもの」だと言えます。

企業向けコンピュータが主流の時は、新たに出てきたPCはさらに「企業向けのコンピュータを、よりニッチにしたもの」と言えます。

そうやって、主流が移り変わっていくわけですね。

 

まとめ

これはゲーム業界だろうが、漫画業界だろうが、どんな業界でもだいたい同じです。

メジャーな低価格化路線を走るか、ニッチな高価格路線を走るか、という流れですね。

そして次の時代の主流は、ニッチなものの中にある、ということです。

 

というか、これは生命の進化でも同じじゃないかと思います。

「四本足で巨大な肉食獣」というメジャーな弱肉強食的な進化を遂げるか、「翼を持つことで、空という独自の世界を得る」というニッチな進化を遂げるか、という違いですね。

そうやって生命が進化してきたのと同じように、私たちの業界も進化している、ということです。

 

この流れが分かれば、自分の業界でも次のチャンスがどの辺にあるのか、見当をつけられるんじゃないかと思います。

 

ということで、今日は「有料アプリ」は終わったのか、というお話でした。

今日はここまで~。

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