今日は、クリエイティブな事例紹介です。

コスト対策を、逆に強みにした例を紹介してみましょう。

 

「大江戸温泉物語」の事例

ってことで、今日のネタ記事です。

バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略(ITmediaビジネスオンライン)

宿泊施設ブランド「大江戸温泉物語」の、より低価格にできて、満足度を高められた事例紹介がされています。

この内容で、コスト対策を逆に強みにした例が面白かったので、ご紹介してみましょう。

 

元々、木戸川温泉はバブル時に高級宿泊施設を作りすぎて、その後のバブル崩壊でどんどん大きな温泉宿が撤退したというんですよ。

で、その建物が廃墟になってきて問題が出てきて、宿泊施設ブランドの「大江戸温泉物語」がうまくそういう施設を利用し始めたと。

 

各部屋へのサービスをやめて、サービスは一カ所で提供する形

元々そういう高級宿では、各部屋へのサービスをメインにしていました。

でもそれだと、すごいスタッフ数が必要になるし、人件費やコストがかかるわけです。

 

そこで大江戸温泉物語は、各部屋へのサービスを一気にやめて、「部屋ではくつろいでもらったり、寝るだけ」ぐらいの勢いにしたと。

そして、食事などは一カ所に集めて、ビュッフェ形式で提供します。

すると、スタッフ数も少なくてすむし、管理も楽ですよね。

 

「逆に、そのビュッフェに力を入れる」という発想

面白いのが、ここでそのビュッフェに思いっきり力を入れた、ということです。

いい料理長を呼んで、食材やメニュー数にもこだわって、お客の動きや温度管理まで、徹底してクオリティを上げたと。

だいたいスタッフ数を大いに削減できているので、料理長にいい待遇をしても、コスト的には安いものです。

それで人気になって、今では「大江戸温泉物語といえばバイキング」と言われるほどになったとか。

 

これ、すごい発想ですよね。

元々はコスト対策で始めたものを、逆に強みにしたんですから。

 

「どうせなら、それをいっそ強みにしてしまおう」

私の中では、「強み」というのは、「工夫した点」だろうと思います。

で、最初は消極的な「各部屋へのサービスをやめよう」みたいなコスト対策だったとしても、それはそれで一つの工夫なんですよね。

なら、その「仕方なくやらざるを得なかった対処」を、「どうせなら、それをいっそ強みにしてしまおう」と発想を反転させるわけです。

 

例えばゲーム制作とかイラスト制作でも、「背景を描くのは興味がない。やめよう。写真加工が楽だから、それにしよう」とかあると思うんですよ。

でもそこで、「どうせやるなら、写真加工を見事に仕上げてみようかな」、「写真が自然に見えるように、逆にイラスト部分を調整できないだろうか」とするようなものです。

すると、見事な写真加工技術が得られたり、「かまいたちの夜」みたいな、写真でも作品とマッチした世界観ができたりするかもしれません。

 

他の例で言うと、「私は男性キャラがうまく描けない。だから男性キャラはやめよう」とかあったとしましょうか。

なら、「どうせやるなら、徹底的に女性キャラばかりにして、見事に仕上げよう」とか。

それとか、「都会や社会は苦しくて、田舎で独立しなきゃ生きられなかった。なら逆に、田舎であることを大いに活用しよう」みたいな。

 

まとめ

そんな風に、「仕方なくそうせざるを得なかった」とか、「生きるために、そうせざるを得なかった」みたいなことって、あると思うんですよ。

元々はコスト対策とか、嫌なことから逃れるためだったりと、消極的だったりネガティブな動機だったかもしれません。

 

でも、それが特に嫌なことではないのなら、むしろそれを強みにするのもいいように感じます。

「こういう状況に追い込まれたけど、この状況は嫌いではないな。なら、もう一歩踏み込んで研究して、ぐっとよくしてみよう」という発想ですね。

 

すると、欠点だとか、敗北のように見えた出来事が、一転して強みになるかもしれません。

 

ということで今日は、コスト対策を、逆に強みにした例を紹介してみました。

今日はここまで~。

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