今日は、クリエイティブなお話です。
「廃棄野菜のクレヨン」という発想が面白かった、というお話です。
「おやさいクレヨン」という商品が面白かった
今日のネタ記事。
「廃棄野菜のクレヨン」で一発逆転シングルマザー(東洋経済ONLINE)
記事の内容は、「廃棄野菜でクレヨンを作ったら、すっごい売れてしまった」というお話です。
記事そのものも面白いので、上記記事を読んでみるといいでしょう。
(なお、最初はあまり関係ない不幸な身の上話が続くので、4ページ目ぐらいから見るのでもよさそう)
内容を簡単に紹介
とりあえず、内容を簡単に紹介してみましょう。
木村さんという女性の方なんですが、子供ができて、だけど離婚して、「子供との時間を作って、仕事もできたらなぁ」と願います。
そこで木村さんは、昔デザインの勉強をしていたので、自分で作成例を作って、近所で開催されている「食の見本市」に向かったと。
そこで「チラシとか、販促物のデザインを作りませんか?」と、地道に回ったわけです。
すると、ぽつぽつと仕事が来るようになって。
当然木村さんは必死なので、ちゃんとしたものを作ることで好評を得て、だいぶ収入が安定するようになりました。
心に余裕ができると、やりたいことが見えてくる
そうして心に余裕ができると、いろんなやりたいことが見えてくるんですよね。
しばらくして、愛染(あいぜん)という天然素材を使った作品展に行きます。
それで、「自然由来のインクがあったらなぁ」と、興味を持つわけです。
そんな風に興味を持つと、日常の中でも「あ、これ使えそう」というのが見つかるものなんですよ。
で、木村さんはほうれん草をゆでているときに、ゆで汁が緑色になっているのが分かります。
そこで、「あれ? これ、使えるんじゃない?」みたいにひらめいたと。
でも、実際にその煮汁とか、フルーツジュースを使って塗ってみるんですが、全然色がつかないわけです。
それで、なんとなくこの頃から、「子供の頃、クレヨンが好きだったな。野菜の色を使ったクレヨンを作れたら、子供と一緒に遊べるな」と思い始めます。
作り方は、YouTubeにある
で、もう今の時代、たいていのものの作り方なんて、YouTubeにあるんですよね。
クレヨンの作り方もYouTubeにあったので、実際に作ってみると、本当にできちゃって。
そして本気になったのか、木村さんはそのYouTube動画をアップしていた会社に相談をします。
それで、「野菜を使ったクレヨンを作りたいんです」と、相談したと。
そうして、いろいろ教えてもらいつつ、進められるようになりました。
原料も確保してゆく
一方で、原料となる野菜パウダーも必要なわけで。
すると木村さんは、地元の「青森県産業技術センターの6次産業化支援窓口」という窓口に相談したと。
そこから県内の、野菜加工業者を紹介してもらいます。
で、その加工会社に行くと、工場だけでなく、畑も見せてもらった時に、畑の片隅でゴミのように積み上げられている野菜を見つけます。
この部分が面白かったので、引用でご紹介。
「あの野菜はなんですか?」と尋ねると、大きさや形が規格外で、出荷できずに捨てられる廃棄野菜だと教えてくれた。
「これだ!」
「こういうのができればな」という強い欲求がある場合、「これだ!」っていう瞬間が来ることって、よくありますよね。
突破口が見える、大きな瞬間ですね。
そういう「これだ!」というものをいくつも積み重ねて、私たちは何かを実現してゆくわけです。
で、木村さんはその加工会社の人に「一緒にクレヨンを作りませんか?」と持ちかけて、原料を得られるようになりました。
楽しく世界観を作ってゆく
そして、「子供が間違って食べても大丈夫なように」とか、「米を原料に加えるのも面白いよね」みたいに、「自然」をメインにした世界観を作ってゆきます。
これって、とても楽しい作業ですよね。
だって、「どうせ野菜を原料に作るなら、こうすれば楽しい」という、楽しいノリで設定を作るわけです。
常識で考えると、「クレヨンとは、こういうものを使うのが当たり前だ」みたいに思うじゃないですか。
メジャーの人ほど、「コスト感覚を身につけろ」とか、「業界の人間なら、こういう素材を作るのは常識だろう」みたいに言うわけです。
でも、ニッチで楽しい世界って、そうではないんですよね。
「こうすると楽しいな」という設定が、「野菜を使ったクレヨン」という世界観を作ってゆくんですから。
そして爆発的な人気が出る
そして、木村さんはそのクレヨンを、「第77回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2014」に出展します。
そこでテレビ東京の「ワールド・ビジネスサテライト」というビジネス番組が取材に来て、その日の放送で取り上げられます。
それで人気になったら、最終日にはNHKの「おはよう日本」という番組でも取り上げられて、人が殺到したと。
「東京での3日間を例えるなら、シンデレラが階段をのぼっていくようなイメージでした。今まで知らなかった世界が見えたというか。それぐらい、自分の人生で衝撃的な体験でした」
時に、そういうタイミングってあるように思います。
「これをきっかけに、急上昇し始めた」みたいなこともあると。
それに、今はそういう「自然を再利用しよう」っていうブームがありますよね。
そういうブームに乗って、大きく売れるようになった、という流れです。
うまく相談したり、質問していく
この人の面白いところは、「どんどん専門窓口に相談したり、質問していく」ということだろうと思います。
クレヨンの作り方でも、実際のクレヨン会社に相談したり。
野菜が必要なら、県の窓口に相談したり。
他にも、このクレヨンを作るのに「県の補助金を使って開発した」という経緯もあったり。
おそらく、この人はうまく「適切な人」に、「夢を壊されない質問」ができていたんじゃないかと思います。
無知な人に「こういう夢を持っています」とかいうと、「できるわけないよ」とか言われやすいですよね。
でも、作り方を分かち合っているようなクレヨン会社とか、県の窓口みたいに、専門的な人とか、楽しさを分かち合う人とかであれば、可能性は高まるわけで。
そして、「こういうものを作りたいんですが、こういう素材があればなぁ」みたいに、「必要条件」をうまく相談できていたんじゃないかな、と。
すると、夢を壊されずに、必要条件を得られますからね。
そういう発想で周囲に相談するのも、いいように思います。
まとめ
こういう実例を知ると、いろいろ元気が出るように思います。
そして私たちが「こういうのって、面白いな」というのは、身近なところから起きうるように思います。
今回の例だって、近所であった作品展を見て、「自然の染料って、面白いな」というところからスタートしてるわけです。
それで、「そういえば、幼い頃にクレヨンが好きだったな」、「ほうれん草のゆで汁って、色が濃いよな」と自分の生活に結びつけていって、形になったと。
そういう「こういうのって、面白いな」という軽いノリで結びつけてゆけると、面白いものができるかもしれません。
ということで今日は、「廃棄野菜のクレヨン」という発想が面白かった、というお話でした。
今日はここまで~。