今日は、クリエイティブというか、ビジネスっぽいお話です。
クリエイターにおける、タイプ別の売り方を考えてみたので、語ってみましょう。
自分なりのスタイルは、どう作ればいいのか?
私たちは、「大好きなことで、お金を稼いでいきたい」という思いを持っていることが多いかと思います。
で、メジャー向けの場合は競争に打ち勝てばいいんですが、競争で勝てないから悩んでいるわけで(笑
でも、そんな場合でも、ニッチ向けにすることで収益を上げることができます。
そこで昨日の記事では、「スタイルの作り方を説明している人が、ほとんどいない」って触れましたよね。
ニッチ向けで攻める場合、自分なりの独自スタイルが重要になります。
それは、自分の欠点ですら持ち味のように見せることで、欠点を強みに変えることができると。
じゃあ、「自分なりのスタイルって、どういう形で作ればいいの?」という疑問がわくかと思います。
今日はそんな、「タイプ別の、自分なりのスタイルの作り方」についてお話ししてみましょう。
今回は、売り方や見せ方(プロモーション)という切り口でのスタイルを見てみます。
創作界における、作者とキャラのポジション
そこで、興味深いツイートがあったので、ご紹介。
オリジナルキャラクターを創作する人(創作漫画描きさん)の、個人的イメージ(改定版)。
イラスト描きさんや小説書きさんだとまた少し違うかも? pic.twitter.com/fchmdZ4Qw5— gum (@gumhamham) November 19, 2016
これはオリジナルキャラクターを作る人のタイプを示していて、「親タイプ」、「クラブのママタイプ」、「映画監督タイプ」、「神タイプ」の4つがあるよ、というタイプ別分類です。
あるあるですよね(笑
クリエイターが持つ、4つのタイプ
これはある意味、次のように言えるかと思います。
- 親タイプ: 1キャラを作り込むのが得意。特定の性質を持つ1キャラにはまりやすい。作る側よりも、買う側タイプ。
- クラブのママタイプ: キャラクターバランス(キャラの関係性)を作るのが得意。視覚や関係性で物事を考える。バランスや調和を大切にする。絵描きさんタイプ。
- 映画監督タイプ: 脚本が得意。論理(時系列の変化)で物事をとらえる。筋が通っていることを大切にする。作家タイプ。
- 神タイプ:世界観を作るのが得意。詩やポエムが好き。ありのままを描写することを大切にする。詩人タイプ。
じゃあ、このタイプ別での売り方を考えてみましょうか。
以下では、「キャラクター」を「作品」と置き換えて考えれば、いろんなジャンルで当てはめられるんじゃないかと思います。
「親タイプ」の売り方
まずは「親タイプ」の場合ですが、このタイプの場合、一人のキャラクターを作り込む(もしくははまったり、感情移入する)のが得意なわけです。
クリエイターというよりも、アニメや漫画のキャラクターに惚れるような、「売る側ではなくて、買う側がメイン」という立場が多いように思います。
このタイプの人がどう売るのかというと、今の時代であれば、「TwitterのBot」という形が真っ先に思い浮かびます。
ほら、Twitterでも、キャラクターのBotがあるじゃないですか。
いわゆる、「キャラクターが発信者で、作者はキャラクターになりきって発信する」というスタイルです。
まあ、作者がキャラクターになることもありますが。
それで、そのキャラの特徴的な思想や考え方、態度や反応を見せていくわけですね。
その個性が仕上がっていればいるほど、そしてキャラクターが提供しているメッセージに魅力があればあるほど、話題になりやすいと。
これはある意味、「そのキャラの生き方(価値観)を見せる」というのかもしれません。
例えばスティーブジョブズBOTの場合、これは「スティーブ・ジョブズの生き方」を売っているわけです。
小池一夫氏の場合、「小池一夫の生き方」ですよね。
Gacktのように、作者自身が自分の一側面だけを強調して見せることで、自分をキャラクターに仕上げることもあります。
この場合、余計な作者のメッセージは含まずに、そのキャラの生き方や価値観を示す内容を発信していくといいかと思います。
すると、「キャラの生き方を描く」という大好きなことで、魅力と価値を作り出すことができるわけですね。
もちろん、Botでなくとも、別の媒体や表現形式でもかまいません。
こういうスタイルで見せていくと、欠点をなくして「好きなことだけ」で表現できるかと思います。
「クラブのママタイプ」の売り方
次は「クラブのママタイプ」ですが、このタイプの人は視覚や場面的な関係性を重視しやすいので、絵描きさんに多いような気がします。
一方で、時系列の変化や論理構造は苦手なので、しっかりとした物語を作ることを苦手としやすいものです。
「漫画家になりたいけど、ストーリーがうまく作れない」という絵描きさんは、まずこのタイプかと思います。
この場合、今の時代であれば、「Twitterに、大好きなシチュエーションのワンシーンを描く」というスタイルが合っているように思います。
これは具体例で見る方が早いでしょう。
今までこのブログで紹介した例で言うと、「タヌキとキツネ」とか、しばさんの作品(ペンギン親子のイラスト)とか、たまむしさんの作品(レズ系のシチュエーション漫画)、カエリ鯛さんの作品(腐男子社長漫画)みたいな。
別の例で言うと、まんがタイム系列のような、4コマ漫画を主体にしたものとか。
キャラ数(知識量)が多い場合、高橋のぞむ氏(つぶやきいきもの図鑑)とか、古世代の住人のように、インフォグラフィックや図鑑のような形もあり得ます。
それで、「キャラの違い」を発信していくわけですね。
そのために、カップリングが考慮されます。
というのも、カップリングというのは、「2人のシチュエーション」になることで、両者が違いが端的に描けますからね。
「タヌキとキツネ」だって、これは「脳天気だけど人気者」と「知的だけどアウトロー」というキャラのカップリングですよね。
その関係性が描ければ描けるほど、そして「普段の関係」と「普段の関係が崩れる瞬間(萌える瞬間)」に特化すればするほど、魅力は高まります。
「タヌキとキツネ」で言うと、タヌキのことなんかどうでもいいと装っているキツネなのに、いざタヌキが危機に陥ったり落ち込んだりすると、キツネはタヌキのためにさりげなく優しくするわけです。
そういう「普段の関係性が崩れる瞬間」イコール「萌える!」となって、魅力になるわけですね。
そういう「このシチュエーションがええねん!」に特化したものを、様々な角度から出していくわけです。
すると、魅力が高まり、価値も高まります。
「映画監督タイプ」の売り方
「映画監督タイプ」は、論理を重視するので、作家さんに多いです。
これはもう、売るのはとても簡単です。
「一つの脚本を作れる」というのは、「一つの作品を作れる」ということですからね。
ちゃんと作品を作れる人なので、作品のクオリティを高めさえすれば、うまくいきます。
ただ、論理が必要なので文章が長くなりやすく、Twitterのような短い媒体は不得意です。
Twitterよりも、ブログや書籍、映像作品のように、まとまった作品形式を主体にする方がファンも確保しやすいでしょう。
このタイプはテーマが描けていればいるほど、そして論理として筋が通っていればいるほど、魅力的になります。
テーマとは「この問題を、どう解決するか」という一連の過程のことです。
物語だけでなく、私が好きなテレビ番組「鉄腕DASH」も、全部「こういう問題が起きた! どうやって解決しよう!?」と取り組む流れですよね。
それを、主人公たちが筋を通して解決していく、という流れになります。
ノウハウ系を売る場合も、このタイプになります。
例えばおいしい料理屋を紹介するのでも、そこにはたいてい物語があります。
「あるとき、私は仕事に疲れて、倒れてしまった。そのときに、この店でおかゆを出してもらった。その暖かいおかゆが心に染み渡る味で、疲れた時にはおすすめです」とか言われると、興味を持ちますよね。
逆に、ただ「この店のおかゆは、これがこだわりです」とか言われても、全然興味わきませんよね。
そこに物語(問題を解決した一連の過程)があるから、人は興味深く感じるんですよ。
この原理を理解できれば、うまくいきます。
ちなみに私は、完全な映画監督タイプです。
このブログ記事も、ある意味一つ一つの物語のようなものだと言えるでしょう。
「神タイプ」の売り方
最後は「神タイプ」ですが、このタイプの人は世界観を作るのが好きで、ある意味詩人です。
だから、今の時代であれば、Twitterに「ポエム付き画像形式」で発表していく形が考えられます。
12番目の子(精神的なダウン系なので、リンク先はご注意ください)とか、Jack Canfield氏(英語サイト:「こころのチキンスープ」作者)のようなスタイルがありかなと思います。
少し前までの新海誠氏(映画監督)も神タイプになるので、短い映像で詩的表現をすることもあります。
写真家も、こういうスタイルが合っているかなと思います。
この場合、「感情」を描けていればいるほど、魅力的になります。
「さみしい風景を描く」とか、「ぬくもりを感じられる写真を公開する」というように、表現する感情に統一性を持たせるわけですね。
その感情が、象徴的な詩(言葉)や風景で描ければ描けるほど、魅力的になります。
ただ単純に「きれいな作品」を出すのではなくて、「強い感情」を見せられるかどうかに意識を向けるといいでしょう。
まとめ
そんな風に、いろいろタイプ別で売り方は変わってくるように思います。
もちろん、「私は映画監督タイプと神タイプの複合型だ」みたいに、それぞれのタイプが組み合わさることもありえます。
こういうアプローチで考えると、自分なりのスタイルを作る切り口になるんじゃないかな、と思います。
全く違う人のスタイルをまねても、なかなかうまくいきません。
例えばこのブログの読者さんでよくあるのが、本人は「クラブのママタイプ」の人なのに、私に影響されて、作り方を説明するブログを立ち上げたりすることがあるんですよ。
でもそういうのは、長く続かないものなんですよね。
というのも、作り方を論理的に説明するのは「映画監督タイプ」が得意とすることなので、「クラブのママタイプ」の人の持ち味(スタイル)としては合わないんですよ。
クラブのママタイプは、むしろ「タヌキとキツネ」とかを参考にして学ぶ方が、大好きなことに集中できるし、よっぽどいい効果を生み出すように思います。
そう考えると、どういう人の技術を取り込めばいいのかが、分かってくるんじゃないかな、と思います。
ということで、今日はクリエイターにおける、タイプ別の売り方を考えてみたので語ってみました。
今日はここまで~。