今日は、出版業界の未来について語ってみましょうか。

「紙の本は、これからインテリア業界になりそう」、というお話です。

これは本来なら去年ぐらいに語りたかったことなので、今さらという内容ですが、一応語っておきたいので出しておきます(笑

 

出版不況ではなく、出版衰退

もうずっと、出版業界は下り坂で、衰退していますよね。

今回のコロナウイルスで、さすがにもう「出版不況」とか言う人はいなくなったかな、と思ったりもします。

実際は出版不況ではなくて、「出版衰退」なんだと。

「不況」は上下があることを前提としていて、「衰退」はもはや上昇がないことを前提としています。

なので小さな上下はあるにしろ、紙の本については衰退一直線だろうと思います。

 

まぁそれは当然で、インターネットが出てきて情報が得やすくなると、個人でどんどん情報発信したり、受け取ることができるようになりましたからね。

すなわち、大抵の「情報」はスマホで簡単に、手に入る時代になったわけです。

なら、情報を得る媒体としては、紙の本は不便で落ちていくのは当然ですよね。

 

紙の本は、インテリア業界になる

でも、紙の本はなくならないわけです。

じゃあ、紙の本は、どういう形で生きていくのか。

それが、「紙の本は、インテリア業界になる」ということです。

 

これを分かりやすく説明するために、音楽業界で見てみましょう。

よく言うことですが、音楽業界はクリエイティブ業界の中でも時代の最先端を走っている状態になります。

なので、音楽業界を見れば、出版業界とかゲーム業界の未来も見えやすくなると。

 

そして、紙の本は、音楽業界において「CDと音楽機材(再生環境)が合わさったもの」だと思えば、分かりやすくなります。

すると、「インテリアとしての本の形」が分かるかなと。

 

なぜデジタルではなく、わざわざCDを買うのか

まずは、CDについて見てみましょう。

音楽って、今ではほとんどデジタルで買うなり入手して聴きますよね。

もはやCDみたいな媒体で買うのは、ほとんどなくて。

まぁ、何か特典があったり、オマケの限定グッズがある場合はCDに向かうかもしれません。

でも、「音楽の情報そのもの」だけが欲しい場合、基本はネットから買うわけです。

 

それでも、「データじゃなくて、CDが欲しい」という場合があるんですよ。

それが、「CDという物質的なものとして、手元に置いておきたい」という欲求ですね。

特にお気に入りのアーティストとか、好きなアルバムは、形として持っておきたい、棚にコレクションとして揃えておきたいと。

 

それは、「音楽の情報」を欲しているのではなくて、「グッズやインテリアとしての形」を欲していることになります。

すなわちそのCDは、「インテリア」ですよね。

実際に聴くのは、スマホで聴くんですから。

 

「音楽体験」を味わうために、高品質な機材をそろえる

で、次は音楽機材(再生環境)という観点で見てみましょう。

音楽を聴くのに、しっかりとした機材とか部屋をそろえることがありますよね。

しっかりとしたアンプとかスピーカーを設置して、オーディオルームを作って、ソファーを置いたりして、コーヒーや紅茶と一緒に高音質な音楽を楽しむと。

 

これも、「音楽という情報」を欲しているのではなくて、「高品質な音楽の体験」を欲していることになります。

すなわち、アンプとかスピーカー、オーディオルームは「インテリア」になります。

 

「読書体験」をするための紙の本

で、紙の本は、この「CDと音楽機材(再生環境)が合わさったもの」だと思えばいいわけです。

紙の本が好きな人にとって、なぜ紙の本が好きなのか。

それは、大抵が「物質として持っておきたい」とか、「紙の方が、ペラペラめくる感覚がいい」、「本を読んでいる実感が得られる」というものですよね。

 

そしてそれは、「本に書かれた情報」を欲しているのではなくて、「良質な機材(紙媒体)で、コーヒーや紅茶と共に活字を楽しむ、トータルな読書体験を欲している」ことになります。

単に情報が欲しいだけなら、スマホで見ればいいんですから。

 

まとめ

そういうこともあって、紙の本はなくならないでしょうが、生き残るのは「インテリア」として用いられるものばかりになるかと思います。

インテリアと言わずに、「紙の本は、その作品におけるグッズの一種」ととらえてもいいかもしれません。

 

10年ぐらい前までは、「紙の本で、大手出版社から出版されるのがすごい。電子書籍は、売れない作家のすること」でしたよね。

でも、コロナウイルスで大きくこの常識が変化したと。

今は電子書籍が前提で、おまけで紙媒体があるようなもので。

 

音楽業界でも、昔は「大手レーベルから、CDで音楽を出す人がすごい。ネットで音楽を売るのは、売れないアーティストのすることだ」と考えられていた時期があったんですよ。

動画業界でも、昔は「テレビに出るのがすごい。YouTubeで動画を出すのは、売れない人のすることだ」と考えられていた時期があったと。

今では、そんなのアホらしいですよね。

 

そういう風に紙の本をとらえると、「紙の本にこだわる必要はない」と分かるかなと思います。

今はもう、個人でどんどん出せる時代ですし、個人がメインになる時代からね。

紙の本は、ポスターとかパンフレット、キーホルダーなどと同じような、グッズ扱いだと思えばいいでしょう。

すると、変に出版社に固執することもなく、売り上げも作りやすくなるかなと思います。

 

ということで、今日は「紙の本は、これからインテリア業界になりそう」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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