今日は、クリエイティブなお話です。

「これ、私は面白いと思うんだけど、みんなはどうかな?」というスタイルもいいですよね、というお話です。

 

「好きなこと」がある人の作り方

ちょっとした記事があったので、ご紹介。

『月姫』リメイク版発売記念インタビュー。奈須きのこ氏&武内崇氏が“新しい『月姫』”を語る(ファミ通.com)

「Fate」シリーズを作ったチームの、新作インタビューなんですが。

 

で、この中で、「制作中に気をつけたことなどはありますか?」という質問に対して、興味深い返答があったのでご紹介。

昔ながらの「これ、俺たちはおもしろいと思うんだけど、みんなどうかな?」みたいな感じです

 

自分なりの「好きなこと、表現したいこと」がある人にとっては、こういうスタイルになりように思います。

すなわち、「これ、私は面白いと思うんだけど、みんなはどうかな?」というスタイルもいいですよね、ということです。

 

「みんな」と「自分」のどちらを基準にするか

「面白いと感じるものを作りたい」という場合、次のような2つのアプローチがあるでしょう。

それが、「みんなが面白いと思っていることを作ること」と、「自分が面白いと感じることを作ること」の2つですね。

 

「みんなが面白いと思っていることを作ること」は、まさにメジャー向けの発想です。

今、どういうものが売れているのかを調査して、テンプレとかパターンを分析して、それにまるまる乗っかります。

で、少しアレンジしたり、変化球を加えて出すと。

 

技術をパクることは悪いことではない

言葉を悪く言うと、まるまるパクる、ということですね。

そしてメジャー向けでは相手を分析して技術をパクるのは悪いことではない、ということです。

どんどん技術をパクればいいし、そうして時代に適応していくイメージです。

 

これは、「自分には、特に作りたいものがない。特にこだわりもない」という人におすすめです。

ただし、こういうスタイルは、他の人も真剣に学んでパクりまくりの世界なので、パクりパクられで競争になりやすいものです。

 

自分を基準にしてもいい

一方で、「自分が面白いと感じることを作る」というアプローチもあるんですよね。

「これ、私は面白いと思うんだけど、みんなはどうかな?」と、作って出すと。

 

多くの場合、それはニッチになりやすいものです。

というのも、もし手軽に楽しめる形で世の中にあるのなら、自分で作る必要なんてなくて、それを買って楽しめばいいからですね。

 

すなわち、なぜわざわざしんどい作業をしてまで自分で作るのかというと、「こういうのが欲しいけど、世の中にないから、仕方なく作る」なんですよね。

だから、こういうスタイルの人ほど「世の中にまだないもの」を作りやすいので、ニッチになりやすいと。

 

ニッチ向けほど、パクるのは意味をなさない

こういうニッチ向けの場合、「パクる」というのは、あまり意味をなしません

というのも、ニッチ向けは「世の中にないものを作る」というアプローチなので、まねをする意味がなくなります。

 

すなわち、目的に応じてクオリティ勝負で作るので、パクったとしても「これを楽しむなら、あっちの方が完全にいい」とか、「○○の劣化版」みたいに、「存在が完全に無意味なもの」になりやすくて。

だから、パクるよりも、「こういうのがあればいいのにな」と夢想する、オリジナリティの方が重要になります

 

まぁ、昔ながらの「なければ作れ」という、同人的なノリですよね。

ただ、上記チームのように、たまにそれがブレイクして、メジャーになることもあります。

 

「どれだけ売れるか」は自分で決められない

私の中では、こういう自分の感性を基準にする場合、「どれだけ売れるか」は自分で決められないようにも思います。

だって、「自分が好きなことを、どれだけ他の人も好きだと思ってくれるか」は、自分では決められないじゃないですか。

それは他の人が決めることであって、自分が決めることではないと。

 

だから、自分の感性を基準にする場合、「どれだけメジャーか」は気にしないでいいように思います。

少なくとも、「こういうのが面白いよね」というものを作れていたら、それだけで自分は満たされます。

世の中にないものを作っているので、自分が一番それを必要としているし、楽しんでいると。

そして、比較的狭い人たちと、和気藹々(あいあい)と内輪で楽しむ、みたいなイメージです。

 

で、もしそういう自分軸スタイルで売れたい場合は、「自分が面白いと感じることをさらに突き詰める」というアプローチの方がいいように思います。

「自分を殺して、みんなが面白いと思うものを取り入れる」ではない、ということですね。

「そのニッチで切り開いた突破口が、メジャーへと波及していく」というイメージです。

まぁ私がよく言う、「自分のコアではとがらせて、どうでもいい部分はメジャーの感覚に合わせる」というスタイルです。

 

まとめ

なので、そういう「これ、私は面白いと思うんだけど、みんなはどうかな?」というスタイルもいいように思います。

それはそれで、ひとつの制作スタイルなんですよね。

で、そういう場合、自分を満たして、「私はこういうのが面白いと感じる」というクオリティを突き詰めていくと。

 

ただ、これにもいろいろあって、「自分の劣等感を癒やすために作る」というのも、あるんですよね。

その場合、劣等感が癒やされてくると、作るモチベーションが落ちてきます。

それはそれで「癒やされた証拠」なので、そこにこだわらずに、別の「自分はこういうものが面白い」に移っていくといいかと思います。

すると、次第に「劣等感からではなく、自分にとってより普遍的に面白いと感じるもの」が見えてくるかもしれません。

 

そうやって「自分なりのポジション」を模索していくと、面白くできるし、喜んでもらえる部分が見えてくるかもしれません。

 

ということで今日は、「これ、私は面白いと思うんだけど、みんなはどうかな?」というスタイルもいいですよね、というお話でした。

今日はここまで~。

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