今日は、クリエイティブなお話です。
「変化は常にチャンスである」、というお話です。
最近よくある、人工知能への恐怖
最近は、本当によく人工知能の話題を見かけるようになりましたね~。
コレ1枚で分かる「人工知能に置き換えられる職業と置き換えられない職業」(ITMediaエンタープライズ)
産業革命が始まってから、「単調作業は機械が担うようになって、人はよりクリエイティブな領域に集中してゆく」という変化が生まれました。
その流れが続いているだけで、大きな動きに変わりはありません。
電話が出たときには「手紙や会話がなくなる、大変だ!」と大騒ぎをして、FAXが出たときにも「手紙や会話がなくなる、けしからん!」と大騒ぎをして、インターネットと電子メールが出たときにも「手紙や会話がなくなる、言語能力がなくなって、人類は終わりだ!」と大騒ぎをした、みたいな感じです。
人工知能も、その延長線上にあるものです。
電話が出たときでも、「手紙という大切な文化が消えてしまう!」とか、「人と人との直接会話がなくなる!」とか、「コミュニケーションの危機だ!」、「手紙関連の膨大な仕事がなくなる!」とかさんざん言われました。
でも実際は、手紙の文化を踏襲して新たな文化が生まれましたし、会話やコミュニケーションはよりできるようになりました。
ただ単純に、「選択肢が増えた」という程度に過ぎません。
人はタイミングを重要とするコミュニケーションには電子メールを使って、人は簡単な連絡には電話を使って、楽しみの会話では直接会うようになっただけですね。
変化は全てチャンス
で、こういう変化は全て、チャンスです。
そして、それぞれの変化の段階で、チャンスの形は変わってきます。
すなわち、タイミングによってチャンスのある場所は変わるわけですね。
それは、次のようなタイミングで考えるといいでしょう。
- 新しい変化が生まれたとき、「新しいもの」にチャンスがある
- 新しい変化がブームになり始めたとき、ここで参入しても遅い
- 新しい変化が主流になってきたとき、「古いもの」にチャンスが生まれる
これはどういうことなのか、以下で実際に見てみましょう。
新しい変化が生まれたときは、「新しいもの」にチャンスがある
電子メールだけでなく、電話が登場したときにも「手紙や会話がなくなる、大変だ!」と大騒ぎをしましたが、こういう騒動は全て「変化に対する恐怖」から生まれています。
今までの成功法則に慣れ親しんだ人ほど、そしてそれで成功していた人ほど、新しい成功法則が出てくるとそれを恐れます。
そして「変化を起こしてはならない! 変化すると、今のこういう大切なものが失われる!」と、適当な理由を探してきて騒いでいるに過ぎません。
先日、「Kindle Unlimitedは弱小作家にとってはチャンスになりそう。有力な作家ほど、軒並みKindle Unlimitedから外れている」って触れましたが、それと同じです。
現状の体制で利益を得ている人ほど、現状を保とうとします。
いわゆる、既得権益を守ろうとするわけですね。
そんな変化がある場合、弱者にとっては、ほぼ確実に「新しいもの」にチャンスがあります。
強者はほぼ常に、「過去の体制」を維持しようとします。
新しいものには飛びつきにくいんですよね。
すると、新しい仕組みや新しい業界では、強者が比較的少なくなるので、弱者でも勝ちやすくなります。
それが、弱者が取る基本戦略ですね。
逆に、相対的に「古い業界」は競争率が高くなっていくので、競争が苛烈になってゆきます。
一部の勝者が総取りをし始めて、業界では貧困層が生まれて、中間層が没落していきます。
業界でそういう現象が起きているとき、必ず別の場所で「新しいもの」を含んだ成長産業があるものです。
競争に勝てる見込みがない場合、早めにその成長産業に移ることですね。
新しい変化がブームになり始めたとき、ここで参入しても遅い
で、その新しいものが浸透してくると、ぐっと大手が入ってくるブームが到来します。
そうなると競争率が高くなるので、この時期に参入すると大変なことになります。
すなわち、「ブームが来てから参入しても遅い」ということです。
例えば最近でも、グルメ系漫画がブームじゃないですか。
で、今から「グルメ系漫画がブームだから、参入しよう」としても遅すぎるんですよ。
既に競争過多な状態なので、よっぽどの実力でない限り、売れることができません。
逆に初期段階で参入していれば、勝ちやすくて、ファンを確保できます。
すると、ブームが来たら今までの実績があるので、ブームに乗ってより飛躍できるようになるわけですね。
ブームというのは、「追い風」です。
ブームが来たときに羽ばたこうとするのは遅くて、ブームが来たときには既に羽を広げていて上空にいて、「待ってました!」と言える状態にすることですね。
もしブームが来なくても、それはニッチなジャンルで地位を確保できることなので、問題はありません。
新しい変化が主流になってきたとき、「古いもの」にチャンスが生まれる
で、ブームが来てそれが主流の成功法則になってくると、みんながその方法に偏ってきて、競争率が高くなりすぎることがあります。
そういう場合、時に「古いもの」にチャンスが生まれることがあります。
例えば誰もが電子メールでコミュニケーションをするようになると、「電子メールが当たり前」という感覚になりますよね。
そんなとき、わざわざ手紙でコミュニケーションをしていたらどうでしょう。
すると、「わあ、この人はわざわざ手紙で書いてくれた!」と嬉しくなって、手紙に価値を置くようになります。
すなわち、電子メールの競争率が高くなりすぎることで、競争率が下がった手紙の方が有利になるわけですね。
他にも、例えば今は漫画業界では、デジタルで作るのが主流になりつつあるじゃないですか。
アナログでプロが10年かけて身につけたトーンワークや仕上げの技術を、デジタルなら1ヶ月学べばそれと同等の技術を得られたり、むしろそれよりも短時間で美しく仕上げたりすることができたりするんですよ。
そういうのがどんどん主流になってきて、誰もが「デジタルが最高!」と競争率が高くなってきたら、逆に相対的に、古いものの競争率が落ちて、勝ちやすくなることがあると。
例えばペンとかトーンを一切使わずに、鉛筆だけで仕上げたりすると、それだけで「最近にはない、暖かい雰囲気」みたいに目立てたりすることもあるんですよね。
まとめ
そんな風に、チャンスは変化と共にやってきます。
新しいものが出てきたとき、ブームが起き始めたとき、新しいものが定着して主流になってきたとき、それぞれでチャンスのある場所は変わるんだと。
弱者であるほど、参入するタイミングを考慮するといいでしょう。
一番売れるのが、ブームを予期して羽を広げて待っていることなんですが、なかなかブームを予期することは難しいんですよね。
それに、ブームというのは、確実に他人軸になります。
だから、自分軸でニッチを攻める人にとっては、ブームはもう「幸運な追い風」だと割り切って認識するといいでしょう。
一番売れないのが、「弱者のブーム後追い」です。
業界では弱者な人で、ブームが来てから、しかもそれが主流になり始めてから参入するような人が、一番売れないと。
それは、タイミングが悪いからそうなってしまうわけですね。
ブームを後追いして売れるのは、実力と適性がある強者だけです。
こういう風に考えると、うまくチャンスをとらえることができるんじゃないかな、と思います。
ということで、今日は「変化は常にチャンスである」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。