今日は未来の話というか、リスク対策のお話です。

「リスク対策は、少しコストがかかっても、早めに処理する方がよさそう」というお話です。

 

今は混乱が増えていく時期

珍しく、時事ネタです。

タリバン制圧のアフガンから必死の脱出、空港で少なくとも5人死亡(REUTERS)

 

「イスラム系の武装勢力が、アフガニスタンの首都を制圧した」というニュースですね。

で、大勢の市民が空港に殺到して、無理矢理飛行機に乗ろうとしたり、飛行機にしがみついたりして、もはや空港が機能しなくなったと。

実際に他の動画を見てみたんですが、ゾンビ映画とかパニック映画と同じレベルで人だかりができて、飛行機なんて絶対に動かせそうにない状態で。

 

これからは、こういう混乱がどんどん増えていくかと思います。

物事には「拡張と縮小の波」があって、今まで無理して拡張してきた分、これから10~20年ぐらいの期間で、その反動が起きやすい時期のように思います。

中東やアフリカみたいな紛争地帯では戦争も起きるし、財政が厳しい国家は乱れるし、利権争いは激しくなるしで、安定がなくなっていくわけですね。

すなわち、「国家や大組織を頼れない状態」になっていくと。

 

そういう時代に大切なのが、「リスク対策は、少しコストがかかっても、早めに処理する方がよさそう」ということです。

すると、破壊的なことに対しても、生き延びやすくなるかと思います。

 

国家や政治家には期待しない方がいい

私の中では、今の時期は、国家や政治家には期待しない方がいいように思います。

国民が「きっと国家がなんとかしてくれるよ」なんて思っていたら、全然期待外れに終わるものなんですよね。

 

例えばアフガニスタンでもそうですが、首都が陥落したのが昨日ですが、アフガニスタン第3の都市が陥落したのが、さらにその2~3日前だと。

すなわち、たった2~3日で、第3の都市を制圧された後に、首都が制圧されてしまったわけです。

「え? 仮にも首都だよ? 首都の防衛体勢って、そんなに貧弱で薄いものなの!?」とか思いますよね。

しかも、日本のように安定した国ではなくて、アフガニスタンのように軍事衝突が幾度も起きている国の首都が、それですからね。

 

しかも、首都が危険になったら、さっさと国家主席は逃げちゃうものなんですよ(笑

実際に、アフガニスタンの大統領は、敵軍が首都に押し寄せてくると、さっさと現金を持ってヘリで国外に逃げたわけです。

「え? 国民のために戦わないの? 周囲にいる国民はどうなるの!?」って話でしょ(笑

 

自分の身は自分で守ること

私たちは、「国家はいろいろ考えているはずだ」とか、「国家のリーダーは、身を挺して国や制度を守るはずだ」とか思いがちじゃないですか。

頭のいい人たちが集まって、「戦略会議」とか名前をつけて会議をしているので、普通の人から見ると、なんか考えているように見えるんですよ(笑

でも実際は、「過去を継承しているだけで、さして何も考えていない」、「リーダーは、国がやばくなると逃げ出すもの」だということです。

 

以前どこかで見たんですが、「日本は危機が起きたときほど、政府が機能しなくなる」というのがあって、「まさにそうだな」と思ったり。

福島の原子力事故でも、今回のコロナウイルスでも、そういうのを実感している人は多いんじゃないかと思うんですが。

 

なので、自分の身は自分で守る必要があります。

で、そういう場合に必要なのが、「リスク対策は、少しコストがかかっても、早めに処理する方がよさそう」という感覚だろうと思います。

 

「ティッピングポイント」という考え方

こういう災害みたいな出来事には、「ティッピングポイント(崩壊ポイント)」みたいなタイミングがあるんですよ。

ティッピングポイントというのは、今までゆっくり変化していたのが、ある一点を境に、ぐっと変化してしまう部分のことを言います。

この特徴が、「ティッピングポイント前は余裕なのに、後になると大きく変化が起きてしまっている」ということです。

 

例えばアフガニスタンの場合でも、「首都陥落」をティッピングポイントとすると、「1週間前」と「1週間後」とでは、まったく状況が変わります。

1週間前なら、空港もまだ機能しているし、スーパーでものも買えるし、国外脱出もできるかもしれません。

でも1週間後となると、多くの人が殺到していたり、空港は完全にアウトだし、暴動でいろいろ破壊されて、国外脱出も強烈に難しくなるわけです。

1週間後どころか、1日後でも難しいでしょう。

「崩壊前」なら比較的大丈夫なんですが、「崩壊後」はアウトなわけです。

 

他にも、例えば災害でも、大雨で堤防が崩れた「1時間後」に避難するのは、至難の業(わざ)ですよね。

それは、すでに道が失われているからで。

でも、堤防が崩れる「1時間前」なら、だいぶ安全に避難できると分かります。

 

いろんなティッピングポイント

コロナウイルスのマスクだって、そうだったように思います。

「マスクがない!」と人々が殺到した「1週間後」は、かなりの金額を支払わなければ、マスクは入手できないものです。

でも、人々が殺到する「1週間前」は、余裕で格安のものを買えたりするんですよ。

 

私が印象に残っているのは、「サウンド・オブ・ミュージック」という映画の第2部だったりします。

ナチスドイツの侵攻があって、オーストリアに住む主人公たち一家は逃げようとするんですが、「あと数十分出るのが遅かったら、ナチスにとらえられて終わりだった」という演出です。

これも、ティッピングポイント(ナチスによる占領)の「1日前」ならまだ余裕があるなのに、「1日後」になると完全にアウトになると分かります。

 

リスクというのは、そういうティッピングポイント(崩壊ポイント)がある、ということです。

「崩壊前」の行動は楽だけど、「崩壊後」の行動はとにかく難しくなります

チキンレースの「ブレーキを早めに踏めば『臆病者』と呼ばれるけど安全、だけど『ぎりぎりまで』を目指して、タイミングが少しでも遅れると崖から真っ逆さま」と同じですね。

 

ティッピングポイントは予測しにくい

で、私たちはそのティッピングポイントがいつなのかを予測できればいいんですが、そういう「いつ崩壊が起きるのか」は、なかなか予測できません

なので、「リスクに対しては、少しコストがかかっても、早めに処理する方がよさそう」ということです。

 

私の中で、日本で次に起こりうる「コロナウイルス以上の混乱」があるとすると、それは「インフレ」だろうと思います。

日本円を作りまくっているので、お金の価値がなくなってゆく、ということですね。

私は今の流れからすると、強烈な円安をきっかけに引き起こされそうだな、と予想しています。

 

これも、ティッピングポイント(崩壊ポイント)があって、人々は急激に「お金の価値がなくなる!」と感じて、ものを買いあさるかなと思います。

で、スーパーからは商品がなくなって、その後は急激に値段が上がって、「1万円で味わえるもの」が急激に減ってしまうと。

でも、そのティッピングポイント前は余裕で買えるので、多くの人が「まだ大丈夫だろう」と安心して、突如として変化して、タイミングを逃すように思います。

 

まとめ

そういう風にリスクをとらえると、安心を作りやすいかなと思います。

だいたい、台風でも武装勢力の侵攻でも、「来ている」と分かりますからね。

さすがに地震は分からないでしょうが、それでも「日本は地震もあるし、大雨も火山噴火もある、災害多発国家だ」というのは、分かっていることです。

 

なら、少々のロスを受け入れた上で、早めの避難、早めの対策がいいかなと思います。

 

ということで今日は、「リスク対策は、少しコストがかかっても、早めに処理する方がよさそう」というお話でした。

今日はここまで~。

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