今日は、クリエイティブなお話です。
「ランニングコストの低いもので一本化することでも、豊かさは作れる」、というお話をしてみましょう。
どうすれば、身近にあるもので豊かさを作れるのか
ここんとこずっと、「身近にある安価なもので、豊かさを実現しよう」ってことを話してますよね。
「できるだけお金をかけずに、それでも満足して生きられるスタイルを作り、そこから豊かさを広げていく」というスタイルですね。
そうすることで、まずは人生から「嫌なこと(嫌な仕事、嫌な人間関係)」をなくしましょうよ、というアプローチです。
でも、「じゃあ、どうすれば具体的に、『身近にある安価もの』で豊かさを作れるの?」って思いますよね。
「生活をスリムにして、できるだけお金を使わずに生きよう」というのは分かった、なら次はどうすればいいのか。
そこで、「ランニングコストの低いもので一本化する」というのをおすすめします。
すると、工夫が生まれて、さらに豊かさを作れるかと思います。
一本化すると、本当に貧しくなるのか
私たちは普通、「一本に絞り込むと、豊かさが失われる」と思いますよね。
例えばいろんな道具を使えたり、いろんな食べ物を味わえる方が、豊かだと思うものです。
それが「一種類の道具しか使えない、一種類の食材しか味わえない」となると、貧しくなった気がするじゃないですか。
でも、必ずしも「一本化すると、貧しくなる」わけではありません。
むしろ、「一本化した先」を見ると、より豊かさを作れると分かります。
昨日も触れましたが、貧乏人ほど家の中に多くのものがあるんですよ。
なぜ貧乏人が多くのものを持つのかというと、少ない状態では満足できる状態を作れずに、不安だからですよね。
例えば筆記具にしても、ボールペンが何本もあったり、鉛筆やらシャーペンが山ほどあったりするわけです。
それは、ボールペン1本を、十分に使いこなせていないからです。
1本を十分に使いこなせないから、いろんなものを持ちたがるわけです。
「お金がなくなったらどうしよう」、「人脈がなくなったらどうしよう」、「仕事がなくなったらどうしよう」、「地位がなくなったらどうしよう」という不安も同じです。
お金も、人脈も、仕事も、地位も、今持っている分の価値を十分に使いこなせないから、より多くを持ちたがるわけです。
そして、多くを持つ方に集中するからこそ、さらに1つ1つを使いこなすことができなくなってしまうと。
「これさえあれば、大丈夫」があるから、安心できる
じゃあ発想を変えると、今持っている分を使いこなせれば、少ないものでも安心できますよね。
だって、もし使いこなせれば、「増やすこと」ではなくて、「うまく使うこと」に集中するようになるんですから。
実際に、1本でも使いこなせるようになると、すごく気楽になれます。
というのも、「ああ、もうたくさんのボールペンを持たなくていいんだ」と、肩の荷が下りるんですよね。
すなわち、「多くを欲するのは、使いこなせずに不安だったからなんだ」と分かります。
すると、「筆記という分野においては、これさえあれば問題なく生きられる」と、最低限の満足が得られて安心できます。
お金も、人脈も、仕事も、地位も、全部そうです。
全部、「使いこなせない」と不安に思っていただけです。
なら、そこであえて1つに絞り込んで、それを使いこなす練習をするわけです。
すると、豊かさを作り出す能力が身について、「あ、これさえあれば大丈夫だ」と安心できるようになると。
お金も、少しのお金で工夫をすれば、十分に人生から「嫌なこと(嫌な仕事、嫌な人間関係)」を取り除くことができます。
だから、お金持ちは一本のボールペンとか万年筆を使い倒すわけですね。
十分に使いこなせるから、「一番使いこなせる1本」を使うと。
だったら、必要以上には求めなくていいと分かります。
その上、一本のペンに絞り込めば、いろんなところでそのペンを使うことになります。
すると、手になじむし、使いやすく工夫したり、理想のペンを追求したりできるものです。
その「私が追求した、究極の1本」とかいうノウハウは、価値あるものですよね。
だから、それをビジネスの種にすることもできると。
「自分にとってランニングコストの低いもの」で一本化しよう
そのために、どんなものでも一本化してみましょうよ、ということです。
で、そのときに重要なのが、「自分にとってランニングコストの低いもの」で一本化することです。
私たちには、それぞれ恵まれたものがあります。
多くの場合、それは「手に入りやすいもので、安価なもの」になります。
例えば料理が好きな人で、庭にレモンが山ほどなっていたとしましょうか。
なら、「できるだけ調味料を、そのランニングコストの安いレモンで一本化してみよう」と考えるわけです。
家にはお酢とかポン酢とか、ゆずとか梅干しとか、いろいろ酸味系の調味料とか素材があるかもしれません。
すると、お酢の代わりにレモンを使ったり、ポン酢醤油の代わりに「レモン+醤油」を使ったり、梅干しの代わりに「大根レモンの漬け物」を使ったりできるでしょう。
確かに、最初は今までとは使い勝手が変わるので、しんどいこともあるでしょう。
でも、次第に自分の家の中で、「レモンを使い倒す」というノウハウと文化が生まれるんですよね。
すると、料理の味付けでも、レモンという素材を生かすために、他の家とは少し違った仕上げに調整するようになるでしょう。
例えば鍋でも、ポン酢醤油なら日本風ですが、レモン醤油の場合、ちょっと洋風な鍋が合うかもしれません。
なら、そういう「レモン醤油の合う、ちょっと洋風の鍋」って、普段の鍋とは違った、オリジナリティがありますよね。
だったら、その洋風鍋料理をさらに洗練させていくと、ビジネスの種になりそうだと分かります。
しかも、レモンは庭に山ほどあるので、ランニングコストも低くできて、自分にとって有利な土俵になると。
ノウハウを売ることもできますし、レモンを売ることもできますし、いろんな可能性ができますよね。
すなわち、「一本化することでも、新たな文化(新たな豊かさ)を創り出せる」ということです。
「自分なりのスタイル」を作ろう
観光地とか、地域の文化って、だいたいそういうものじゃないですか。
「この地域にはこれが豊かにあるから、それを使い倒した文化を味わおう」ってノリですよね。
海の幸が豊富にあるかもしれませんし、酪農が豊かかもしれませんし、フルーツが多いかもしれません。
それは、絞り込んだから工夫が生まれて、独自性となって、コストも下げて利益を生み出すわけです。
一本化することは必ずしも貧しくなることではなくて、新たな文化を創り出すことで、今まで以上に豊かにすることもできます。
私たちにとっても同じで、「自分なりのスタイル」という一本の文化を創り出せばいいんですよ。
それは言い換えると、「周囲が評価するスタイルを捨てる」ということでもあります。
だって、お金を使えば、簡単に周囲が評価するもので身を固められますからね。
それを手放すということは、「自分は自分の価値観に従って生きる」ということを選ぶことでもあります。
だから、自分にとって一番恵まれたもの、すなわちランニングコストが低いもので一本化して、それを使い倒すわけです。
すると、どんどんと自分らしいスタイルが仕上がっていきます。
そして、そんな自分の生き方を最高に輝かせると。
他者が評価するもので輝かせるのではなくて、自分の世界観を仕上げることで、輝かせるわけです。
実際に一本化してゆく
なら、小さなところから一本化してみるといいでしょう。
例えば通信環境で言うと、自分専用のPCがあって、それが最も低いランニングコストになるならば、情報関係はPCで全て一本化できるかもしれません。
もしくはスマホを豊かに使える環境があって、それが最も低いランニングコストになるなら、いろんな処理をスマホで一本化できるかもしれません。
確かに最初は慣れずにしんどいかもしれませんが、そこから工夫が生まれて、次第に「これさえあれば大丈夫」と感じるようになります。
移動手段でも、自転車で一本化できるかもしれません。
服とか化粧品でも、「最低限こういう色があれば、組み合わせでいける」とか、「一つのものでも、夏場、冬場はこういう追加だけでなんとかできる」とか、いろいろ自分なりのスタイルを考えられるでしょう。
制作でも、絵を描くのが楽にできるなら、絵で一本化してみるのもいいでしょう。
論理と文章が楽にできるなら、論理と文章で一本化してみるのもいいでしょう。
こういうのは、工夫が必要になるので、結構考えることになります。
ですが、その考える作業が面白いし、いつの間にか独自のノウハウになるんですよね。
問題があったら、元に戻せばいい
もし問題があったら、元に戻せばいいだけです。
一番手に入りやすいもので一本化するので、失敗したとしても大きな痛手にはなりません。
で、これらの初期費用は、さして関係ありません。
というのも、「使い倒す」ということは、必ず長期的に使うことになります。
なら、10年とか20年もそのスタイルでいくならば、ほとんどの場合、初期費用なんて微々たる違いでしかなくなるんですよね。
なので、「これでいける」と思ったら、良質なものをそろえるのもいいでしょう。
これが分かると、「だからお金持ちは家の中に無駄なものがなくて、良質なものを、長く使うんだ」と分かるかと思います。
彼らは自分の文化を持っているから、ものが多くなくても、豊かでいられるわけです。
そしてその文化を売って、お金にしているわけですね。
まとめ
そういうこともあって、身近にあるもので豊かさを作りたい場合、自分にとってランニングコストが最も低いもので、一本化してみるといいでしょう。
例えば私の場合、実際に冷蔵庫の中に、ポン酢醤油とかレモン汁、鍋用のポン酢があって、しかも全部瓶で、立てなきゃいけなかったんですよ。
すると、冷蔵庫の瓶を立てるエリアがぎゅうぎゅうで、スペースがなかったんですよね。
そこで、「もうレモン果汁に一本化しよう」と、ポッカレモンで一本化しました。
今では鍋もレモン醤油ですし、自作ジュースとかケーキにも使ったりと、大活躍だったりします。
特に、レモンは赤ワインに合うんですよ!
よくよく考えると、ブドウとレモンなので相性がいいのは当然で、こういう発見もあって面白かったりします。
私たちが本当に欲しているものって、たいていは「安心(嫌なことをせずにすむこと)」と、「楽しみ(好きなことができること)」ですよね。
なら、多くのものを持たなくても、安心と楽しみは作り出せる、ということです。
もので満たすのではなくて、クリエイティビティーで満たすと。
クリエイターには、こういうスタイルの方が合っているんじゃないかな、とも思います。
ということで、今日は「ランニングコストの低いもので一本化することでも、豊かさは作れる」というお話をしてみました。
今日はここまで~。