昨日に引き続き、今日も金融系のお話です。

「何を買えば、自分は最も豊かになれるのか」を根源から考えよう、というお話です。

 

私は金融業界で、何をしているのか

昨日の記事で、私が金融業界に興味を持った流れを説明しましたよね。

で、じゃあ実際に、私はどういうことをしているのか、しようとしているのか、ということです。

 

私の中では、「マーケットを見て取引きする」というのは、まさに「スーパーで、肉とか野菜などの商品を見て、買い物をする」と同じように思います。

で、いい取引きをするほど、自分のお金も増えて、世の中も豊かにする、そういう場所だと思ってます。

いやまぁもちろん、一部トレーダーのように、奪い合ったりギャンブルをしている世界もあるんですけどね。

でも、金融業界には、「自分も世の中も豊かになる」という世界もあったりします。

 

なので、私は金融業界で、「自分や自分たちは、いったい何を買えば(何をすれば)、最も豊かになれるのか」をより根源から考えています

それで買う物を決めて、それによって世の中もよくしてゆく、ということを目指していると。

 

どうすれば、豊かになれるのか

これを説明するために、ちょっと私たち個人レベルで考えてみましょう。

私たちって、豊かになりたいじゃないですか。

嫌なことはしたくないし、好きなことをして、そして精神的にも安心して、物質的にも十分なだけの物を得ておきたいと。

 

そういう場合、「自分はいったい何を買えば(何をすれば)、最も豊かになれるのか」を根源から考える方がいいように思います。

 

「嫌なことをして得たもので、ストレス発散を繰り返す」例

私がよく言う例ですが、例えばこういう人がいたとしましょう。

その人は毎日嫌な仕事をして、ストレスがたまっていました。

で、爆発寸前までストレスをためて、それで「こんなに苦しんだんだから、フランス料理のフルコースでも食べないと気が済まない!」と、刺激的で高価なものを求めて、お金を使っていました。

そうやって、お金や時間を使って憂さ晴らしをしていたわけですね。

 

でも、それってこじれているというか、無駄なサイクルだと分かります。

というのも、そうやって「嫌なことを得たお金で、ストレス発散する」を続けても、毎日の嫌な仕事が減るわけではありません。

そうではなくて、むしろいっそのこと嫌なことをする時間や量を減らせば、その「浪費をする分」だけ、嫌な仕事をせずにすみます。

なら、結果としてそれだけストレスを抱えずにすむし、自由な時間が増えて、空いた時間をより「自分の幸せを増やす作業」に割り当てられます。

 

お菓子よりも、ハチミツで充実させる例

他の例で言うと、毎日大量のお菓子を食べている人がいたとしましょう。

でも、全然満足できませんでした。

だけどその人は、とある自家製ハチミツに出会って、それがすっごいおいしくて、しかも紅茶に合ったわけです。

すると、そのハチミツと紅茶が趣味になって、お菓子を食べなくても、十分に幸福感を味わえて満足できました

 

なら、「大量のお菓子を食べる」という習慣よりも、「ハチミツと紅茶の趣味を持つ」方が、自分をより楽に幸せにしたと分かります。

お金も少しですむし、健康的にもなれるし、その楽しみで仲間ができたり、知識を教えることで収益にできたりして。

それだけでなく、余ったお金を、さらに別の「自分を満たすこと」に使えますからね。

 

何を満たせば、より幸福になるのか

こういう風に、「何を満たせば、自分はより幸福になるのか」を考えてゆくと、どんどん少しのもので豊かになれるし、幸福感も増えると分かります。

そしてそれは、「ドラッグを使う」とか、「お酒にのめり込む」みたいな短期的な代償行為ではなく、人間として長期的な健康と幸福を求める、ということです。

 

言い換えると、「小手先のものよりも、自分にとっての根源から考えると、より大きく幸福感を増やせそう」という、一つの戦略です。

 

例えば「嫌な仕事で、どうやって嫌な上司を言い負かすか」と考えるのも、一つの工夫でしょう。

でも、もっと根源から考えて、「嫌な仕事ではなく、熱中できる仕事に移る」という発想もあります。

なら、もしそんな根源的対処ができれば、「どうやって言い負かすか」なんて些末なことに、大量に時間やお金をかけて考えなくてもよくなります。

根源を対処すれば、一気にそれら末端の問題は消失するんですから。

 

「豊かさを増やす道」をどう選ぶのか

言うなれば、「豊かさを増やす道」をどう選ぶのか、ということです。

「目の前の道で、右の道と左の道、どちらが目的地に近くなるだろう」と、お金や時間をかけて「右がいいか、左がいいか」と検討するのか。

それとも、「方向性を先に決めさえすれば、細かい道筋は方向性を元に適当に決めて、後から微調整すればいいや」とするか。

なら、大きな方向性を先に決めて、細かいことは後回しにする方が、些末なことに惑わされずに楽に決断できますよね。

 

「根源から考える」というのは、そういう「大きな方向性から決める」ということです。

だから、「自分の幸福感を増やしそうな要因を、根源から試す」方が、より幸福感や豊かさを作れることが多いと。

実際に、10年かけて「上司を言い負かすこと」に精通しても、1ヶ月かけて「自分と社会を分析して、自分に合う会社に入る」方が、より楽に豊かになれることもあるわけで。

 

だから、私は細かなテクニックよりも、「生き方が大切だ」と、より抽象的なことを言っているわけですね。

で、そういう方向性を示すために、「内向型の生き方戦略」とか、「高共感な人の生き方戦略」みたいな本を書いたことになります。

 

社会レベルで豊かさを作る

私が金融市場でしているのは、まさにそれです。

そしてそれを、社会レベルで考える、ということです。

 

まぁいきなり社会レベルで言っても分かりにくいので、私たち個人の視点から見てみることにしましょう。

金融市場(マーケット)では、いろんなものが売られています。

言うなれば、スーパーとかホームセンター、即売展や物産展を見て回るような感覚です。

 

で、中にはいろんな「豊かさを味わえるもの」や「豊かさを作るもの」があります

例えば野菜とかお肉、卵みたいな「食べて、自分が楽しむもの」があったり。

中にはニワトリのように「持っていれば、毎日卵を産みますよ」とか、木の苗のように「植えて育てれば、毎年木の実を食べられますよ」みたいな、「持っていれば利益を生むもの」もあります。

 

どの豊かさを優先するか

そして、そういう商品を見ていると、販売員の人が「このハチミツ、お買い得ですよ! 健康にもよくて、美容にもよくて、おいしいですよ!」とか絶賛するわけです。

私たちからすると、どれもおいしそうだし、面白そうだし、「どれも欲しい!」みたいになりやすいんですが(笑

まぁある意味、「売っているもの」というのは価値があるものなので、もし入手すれば、基本的にどれも豊かさを増やしそうに見えるものです。

 

でも私たちは、お金も限られているし、買えるものに制約があるわけで。

やっぱり現実を見ると、「ハチミツ」と「フランス料理のフルコース」は、私たちの資産では同時には買えないものなんですよ。

 

なら、私たちは「魅力的な商品の中から、何を買えば、自分は最も幸福感や豊かさを増やせるだろう?」と考える必要がありますよね。

そして、安くておいしいハチミツであれば、「買ってよかった。趣味になったし、健康的になれた」となります。

一方で、「憂さ晴らしのための、フランス料理のフルコース」のような、欲望や恐怖によって突き動かされて買う場合もあります。

そういう場合、買う瞬間は心地よくても、お金ばかりが減って、人生の満足度も増えないでしょう。

 

「消費する」を「売却する」で考える

この「買ったものを、私たちが食べて消費する」という部分が、金融業界で言う「買ったものを、マーケットに売却する」に相当します。

言うなれば私たちは、金融市場で買ったハチミツを、「食べて満足する」代わりに「売却して満足する」ということになるわけです。

いやまぁ、卵を産むニワトリとか、木の実を作る苗みたいな側面(配当を得ること)もあるんですが、ここは単純に「売却する(トレードする)」で見てみましょう。

 

その場合、「ハチミツを食べて、人生の幸福度が高まる」というのは、「買った値段よりも、高値で売れた」という状態になります

逆に「ハチミツを食べても、自分に合わなかった」とか「値段相応ではなかった」というのは、「安く売ってしまった」ということになります。

 

で、「私たちが余り物を安い時に買う場合、売る側を助ける。私たちが品薄のものを値上がり時に売る場合、買う側を助ける」と言えますからね。

なら、「余り物を安い時に買って、品薄で高いときに欲する人に売れば、その取引きが自分も周囲も、全員を喜ばせることになる」と言えます。

この原理は、以前この記事で説明したことと同じです。

 

まとめ

この本質が分かると、「うまく物を買って、消費(売却)してゆくと、自分も他者も豊かになる」と分かるかと思います。

成長するものを持つのもいいし、「余り物なのに価値あるもの」を買っておくのもいいでしょう。

 

そのために、世の中の仕組みを見て、「世の中は、これからこれが必要になる。なのに誰も買わずに、売り手が困っている」みたいなものがあるものです。

なら、そういうものを、安い時に買ってあげて、高くなったときに、欲している人に少し安く売ってあげると。

もしくは、多くの木の実を作る苗があるなら、それを作る会社に投資すると、木の実がより安価に世の中に行き渡り、みんなが豊かになります。

そうやって、「社会をどんどん豊かにする人ほど、自分も豊かさが入ってくる」ということです。

 

これが分かると、金融市場も、私たちの毎日も、似たようなことをしていると分かるんじゃないかと思います。

それは同じ、「豊かさと幸福度を増やす哲学と実践」をしていることになります。

 

もちろん、世の中には「弱者を救うほど、自分も幸せを味わえる」という側面もあります。

実際に私は、今までニッチな辺境のジャンルで、そういうことをしてきましたからね。

それはそれで一つの「より動けない卵や弱い雛(ひな)を助ければ、社会は欠員が出なくなり、豊かになる」という現実です。

一方で、今の私がいる金融市場は、「ニワトリをより元気に幸せにすれば、元気な卵を産んで、社会はより増強する」という現実側だ、ということです。

 

うーん、ちょっと分かりにくいですかね。

まぁこれについては、もうちょい詳しく語れるので、また後日に別の観点で説明してみましょう。

 

ということで今日は、「何を買えば、自分は最も豊かになれるのか」を根源から考えよう、というお話でした。

今日はここまで~。

この記事をシェア:
Share