今日は、作家さん向けというか、クリエイター向けのお話です。

「メジャー向けも、普通に能力勝負」というお話をしてみましょう。

 

「クオリティがよくないのに売れる」という怪現象

少し前の記事でも触れましたが、例えば漫画でも小説でも、メジャー向けでは「あまりクオリティがよくないのに売れる」っていう現象が時々起きますよね。

私たちからすると、「なんでこんな作品が売れるんだ」とか、「どうしてこんなレベルの作品に、こんなに出版社の支援がつくんだ」とか、いろいろ感じるわけです。

 

ある意味、「自分の方がよっぽどいい文章とか漫画を描いている」とか、「ほとんどレベルは違わないのに」感じるわけです。

なのに、売り上げとか知名度、フォロワー数は100倍とか1000倍ぐらい違っていたりして、納得できなかったりして。

だから、理不尽さとか、怒りを感じてしまって、「許せない」とか「やってられない」と感じたりすることもあるかもしれません。

 

それで、以前の私はこれを、「メジャー向けでの当たる、当たらないは、宝くじのようなものだと思えばいい」としていたんですよ。

「運の要素もあるから、その辺の理不尽も受け入れられる人がメジャー向けに行きましょう。純粋に能力勝負をしたければ、ニッチに向かえばいい」みたいに。

 

でも最近は、いろいろ考えると、「やっぱりメジャー向けも、普通に能力勝負だな」と思うようになりました。

で、これが分かると、「理不尽なんてない」と分かって、自分の戦略を冷静に再構築できるかなと思います。

 

売れるのに必要な能力とは何か

というのも、「売れるのに必要な能力とは何か」を考えてみると、これはすぐに分かるかと思います。

例えば小説でも、文章力や表現力、語彙力は確かにひとつの要素でしょう。

 

ただ、そのほかにも、いろんな能力があると分かります。

例えば、構成力とか説明力、演出力、訴求力、キャラクターや世界観の作成能力、テーマ選定能力、時流に合わせる能力、社会的な問題に関連させる能力みたいに、いろんな能力があります。

他にも、例えば作品レベルで言うと、いいタイトルを作る能力、表紙をいい絵師さんに描いてもらう人脈だとか、読みやすい体裁にする能力や人脈などがあるかもしれません。

さらには、プロデュースレベルで言うと、今まで作ってきた実績とか、地道に作ってきた人脈、世の中に広げるコピーライティング力、宣伝できるための人脈、企画的な説得力、営業力、経営能力、資金力、協力してくれる人の数、支援を受けるための人的魅力みたいに、能力は山ほどあります。

 

いろんな「売れるために使える能力」を使っていい

これが分かると、「文章力は自分の方があるのに、なぜ売れないんだ。許せない」というのは、だいぶ見当違いな解釈だと分かります。

それは、「売れるために使える能力」って、それだけいろんなバリエーションがあるからですね。

 

人によっては、文章力や表現力で戦っている人もいるでしょう。

でも、「人脈や信頼」とか、「過去の実績や宣伝力」、「誠実な人間性や、人的魅力」などで戦うのも、またひとつの戦略です。

さらには、「自分がこういう場所に生まれたから」というような、自分では選べない環境や個性、境遇を利用するのも、ひとつの戦略でしょう。

 

なのに「自分の方が文章力があるから、自分が売れるべきだ」というのは、そんな世の中にある様々な能力を無視して、「文章力だけが売り上げを左右する」と思っていることになります。

それは、売れなくて当然ですよね。

だって、現実をうまく認識できていないんですから。

 

筋肉だけでは勝てないし、応援もされない

言うなれば、漫画にあるような無差別格闘大会で、「俺の方が筋肉があるのに、なぜ勝てないんだ。許せない!」と言っているようなものです。

まぁ確かに、格闘技では、筋肉量はひとつの重要な要素かもしれません。

でも、戦いには筋肉だけでなくて、俊敏性とか、体力とか、武器の技術とか、相手の動きを読む視力とか、相手心理を読む思考力とか、状況把握能力とか、いろいろ関連します。

なのに、それらを無視して「筋肉は俺の方があるのに、なぜ勝てないんだ」という格闘家は、やはり勝てなくて当然かなと。

 

そして、そういう「状況が分かっていない人」は、やはり周囲からの支援も得にくいように思います。

だって、周囲から見ると、結構アホに見えるからですね。

戦って負けて、なのに「筋肉は俺の方がある。だから俺が勝つべきだ! 許せない!」と叫んでいるんですから。

 

「一回戦で負ける雑魚キャラ的思考」にならない

私たちから見ると、そういう格闘家って、ちょっと言葉は悪いですが、典型的な「一回戦で負ける雑魚キャラ」ですよね。

口先だけ大きくて、筋肉隆々(りゅうりゅう)でいかにも強そうに見えて主人公をおびえさせるんですが、実際に戦うとアホほど弱いと(笑

 

だいたい他の人は、自分に与えられた境遇や環境を最大限に利用して戦略を立てているものです。

なのに、そういうそういう雑魚キャラほど、周囲の思考や戦略が見えずにいます。

そして、世の中の「こういう人が勝つ」という普遍性を無視して、自分の狭い思い込みで、「こういう人物が勝つべきだ」と思い込んでいるわけです。

だから、負けても一切反省しないし、状況を見ることもしないと。

 

私たちからすると、「純粋に筋肉勝負をしたければ、ボディビルダーになれば、一躍有名になれるのに」って感じますよね。

自分の個性や特質に、戦略が合っていない、ということですね。

 

まとめ

そういうこともあって、「メジャー向けも、能力勝負だな」と思うのでもいいように思います。

すると、「自分はどういう能力を元に、戦略を作ろうか」と、自分の戦略を冷静に再考できるかなと思います。

 

なら、「売れないのは、自分の個性や特質に、戦略が合っていない」(目指す方向性が違う)と分かるかと思います。

それは、今まで「筋肉さえあれば」と思っていたのを、「自分に与えられた素質や境遇、環境を元に、どう有機的に発展させるか」と考えるようなものです。

そして、それでも「自分には筋肉しかない」と分かれば、総合格闘大会に出るのではなくて、ボディビルダー大会に出ることですよね。

その辺を決めるのが、戦略です。

その辺を理解できると、より広い視野から戦えて、勝てるようになるかもしれません。

 

もちろん、「たまたま売れた」とか「偶然、爆発的に売れた」としか思えないものも、確かにあるんですけどね(笑

そういう理解できない部分も、まぁ「偶然もあるよ」と思えると、納得しやすくなるかと思います。

 

ということで今日は、「メジャー向けも、普通に能力勝負」というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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