今日は、未来予測についての雑記です。
インフレと、波についてと、何がいいことなのか分からない、などをつらつら語ってみることにしましょう。
いよいよ本格的なインフレが来そう
ちょっとしたニュース記事をご紹介。
スイス中銀が15年ぶり利上げ 政策金利マイナス0.25%に(日本経済新聞)
2週間ほど前のニュースですが、内容は「スイスの中央銀行が15年ぶりに利上げをした」というものです。
こういう記事を見ると、「さあ、いよいよ日本でもインフレが来るぞ!」と実感したりもします。
細かい理論解説は省きますが、以前も触れたように、こういうインフレは「アメリカ→イギリス→EU→スイス→日本」という流れで起きます。
そして日本に次いで緩和的だったスイスが、ついに利上げ(インフレ対策)を始めたわけです。
なので私の中では、「おそらく1年以内ぐらいの期間単位で、日本もそれなりのインフレの波が来るだろう」という予測です。
日本は円安にせざるを得ない
でも、日本は利上げをできないので、日本円を作ってばらまいて、円安にせざるを得ないわけです。
利上げをすると政府が債務を返せなくなるので、政府からすると、それしか方法はないんですよね。
なので私の中では、「破滅的な円安と、それによって破滅的なインフレ(物価高)が引き起こされるまでは、円安が続く」という予測です。
簡単に言うと、「日本は、世界の中でも壊滅的なインフレが起きる。だから準備をしておきましょう」ということですね。
今は国債バブル
そんな状況なのに、日本社会では、「政府が日銀と連携して、お金を作ってばらまけばいい」という風潮が9割以上を占めているように感じます。
その背後には、MMT(現代貨幣理論)をはじめとする、「今までばらまいても大丈夫だったから、これからも大丈夫だ」という理論の罠(アキレスと亀のパラドックス)があるんですが。
自然の立場から見れば「なんか変だぞ」と分かるのに、理論にごまかされて現実が見えなくなっているわけです。
言うなればこれは、国債バブルですね。
いやまぁ、より正確に言うと「国債、株式、不動産などの、商品(コモディティ)を除く何もかもがバブル」なんですが。
以前の日本バブルは「株式と不動産」のバブルだったんですが、それが「国債(日本円とほぼ連動)」になっただけです。
本当は日本国債(と日本円)にはそれだけの価値はないのに、日銀が買い支えることで価格(低利率)を保っています。
でも、そのゆがみはどこかに出ます。
「日銀が日本円を作り続ければ、政府も国民も安泰だ」なんて、自然の立ち位置から見れば、「そんなに都合のいいことなんてない」と分かるものです。
そして今は、そのゆがみが「円安」という部分に出てきている、ということです。
インフレは政府にとっては喜ばしい
まぁ実のところ、インフレが起きるのは、政府にとってはいいことなんですよ。
より正確に言うと、「政府と、政府の利権を得られる一部の人」と、「インフレを予測できた人」にとっては、利益になります。
インフレは税金と同じなので、確かに「政府と、その利権を得られる人」にとってはいいことです。
また、インフレを予測して対策できた人は、資産を保てるし、むしろ増えるので問題ありません。
ただ、「インフレを予測できていない国民」は地獄ですけどね。
そして多くの「インフレを予測できていない国民」が、「もっとばらまけ!」と言って、長期的には自分の首を絞めているというのが、まさにバブルの時期と同じです。
歴史は韻を踏んで繰り返す
過去の日本バブルでも、当時、多くの人が「このまま株式や不動産が値上がりすれば、日本は安泰だ」と思っていました。
だから多くの人が熱狂して、株式や不動産を買いあさっていて。
そして、たとえ良識のある経済人が「これはバブルだ。株式や不動産を買うのはやめろ」と警告しても、そういう人には「日本の成長を妨げる売国奴が!」と、脅迫状まで送りつけていたほどです。
今、まったくそれと同じ状況が起きています。
金融業界にある、「歴史はまったく同じには繰り返さないけれども、韻(いん)を踏んで繰り返す」というものです。
多くの人が「このまま日銀が国債を買い取っていれば、日本は安泰だ」と思っています。
だから多くの人が日本円を持っているし、日本円の価値が続くことを信じているし、「お金(通貨)が欲しい」と思っています。
そして、たとえ良識のある経済人が「これは国債バブルだ。ばらまきはやめろ。日本円を持つのはやめろ」と警告しても、そういう人には、「日本の維持を妨げる売国奴が!」と批判してたたいていると。
変わったのは、株式や不動産が国債になったことと、「日本の成長」が「日本の維持」という風に、レベルが落ちたことです。
行き着く結末は同じ
なら、行き着く結末は同じだと分かります。
強烈な円安とインフレが襲ってきて、国民がインフレに耐えきれなくなったとき、バブルがはじけて、「国債(と日本円)には、それだけの価値がなかった」と理解します。
そして「売国奴が!」とののしっていた人たちは、資産を失い、生活力を失うことで、目が覚めます。
まぁ哀しいことですが、因果応報ですね。
だけど当時は、国民の9割以上の人がバブルに乗っかっていたので、「誰が悪い」ということは言い出せません。
そして今も同じなので、今回も「当時はみんなが浮かれていた」と言葉を濁してごまかして、そしてもっと落ちてゆくことでしょう。
ただ、それでも「これはバブルだ」と分かっていた人は、資産を守れます。
むしろ、それをチャンスにすることで、豊かになれます。
同時にそれは、「日本がどん底の時に、価値ある資産で買い支える」ことができるので、利益を得た上に、日本を助けることにもなります。
だから、欲をかかずに冷静に対処できた人が、豊かになれるわけですね。
落ちることは、悪いことばかりではない
でも私の中では、バブルがはじけて日本が落ちることは、悪いことばかりではないと思うんですよ。
というのも、円安とインフレを耐え抜いて生き残った企業は、ある意味「強烈な効率化ができた企業」だと言えます。
ならば、海外から見れば、「日本は安くていいものを売っている」と判断します。
コロナウイルス前の日本も、「日本は安い」という理由で、観光客が多く来ていましたよね。
それが観光客だけでなく、世界中から「日本が安くて質がいいので、日本から買おう!」という風潮になります。
すると、そこから再び、「海外に安く良質のものを売る、日本」という飛躍が始まるわけですね。
つまり、どん底まで落ちた時、大きな上昇が始まる、ということです。
まぁ、それまで生き残れる既存企業がどれだけあるのか、どれだけ工夫ができるタイプの人が日本に居続けているのかは未知数ですが。
大きなサイクルで回っているだけ
私はよく、「波とか、陰と陽で見よう」とか、「何がいいことで、何が悪いことなのか、分からない」と語っていますが、これがまさにそうです。
「状態」だけで見ると「悪くなる」と感じてしまいます。
でも、波で見ると、ただ単に「大きなサイクルで回っているだけだ」と分かります。
「落ちたら上がるし、上がったら落ちる」というものですね。
上昇が下落の原因になるし、下落が上昇の原因にもなるんですから。
なら、上がることはいいことなのか、下がることは悪いことなのか、よく分からなくなります。
ポジティブがいいことなのか、ネガティブは悪いことなのか、分からないのと同じです。
波に合わせる生き方
ならむしろ、「波に合わせる方が、無理をせずに、状況に合った対処ができる」とも分かります。
また、「波の性質を利用して、ピークであえて少し落とせば、ぽんと別の波に合わせて上がることもできる」とも分かります。
現状維持をするにしても、現状から出るにしても、波の性質をとらえて合わせるわけですね。
なのに今、日本は下りの波なのに、「上昇がいい」と必死に逆らおうとしている状況です。
逆らえば逆らうほど体力が失われるので、落ちてクラッシュしたときの衝撃や絶望は大きくなります。
ただ、それも一つの学習ですし、失敗しながら学んでゆくのでもいいかと思います。
「株式や不動産のバブルだけでなく、国債のバブルも危なかったんだ」
「ずっと上がり続けることなんて、なかったんだ。世界が日本を評価して買い続けるなんて、そんな都合のいい話、なかったんだ」
欲に目がくらんでいる人には、そう理解することも、必要なことのように思います。
まとめ
そういう風に、大局的な視点から見ると、何がいいことで何が悪いことなのか分からなくなるものです。
世の中の動きに対する不安や恐怖というのは、「これから悪くなるばかりだ」、「日本や世界の未来が分からない」と感じるから、抱えてしまうものです。
なので「世の中はサイクルのように変化するものだ」、「悪くなるばかりではない」と分かると、必要な準備もできるし、むやみに焦ったり不安を抱えずにすむかなと思います。
どのみち、これからは政府や社会は頼りにならない時代が来ることでしょう。
政府や社会に頼れない時に、「政府よ、なんとかして!」と言ったとしても、それはあまり効果はないように感じます。
恐怖と欲望は表裏一体ですからね。
なので個人で欲をかかずに対処できた人ほど、これからをうまく乗り切れるし、むしろ大いに豊かさを増やせるんじゃないかと思います。
ということで今日は、インフレと、波についてと、何がいいことなのか分からない、などをつらつら語ってみました。
今日はここまで~。