今日は、ファン作りについてのお話です。
「商品を売るのではなくて、世界観を売ろう」、というお話です。
「ファンさえ作れれば、何でも売れる」って、どういうこと?
先日、こういう質問をいただいたので、ご紹介。
自分のファンについての質問があります。
自分のファンさえできればどんなジャンルの活動をしても収入を得られると考えてよいでしょうか?
たとえば僕がニッチなマンガでファンを作ったとして、そのあとに釣りや美術などの活動をしたとします。
なら、マンガのファンの人も釣りや美術に興味を持ってくれて、さらに新しいファンもどんどん増えるということでよいでしょうか?
私はよく「ファンさえ作れれば、何でも売れる」ということを言っているので、確かにこういう風に感じる人もいるかな、と思います。
この「自分のファン」というのはどういう存在なのか、どういうものを売ればいいのか、という説明をしてみましょうか。
「その世界観が含まれていれば、何でも買ってくれる」ということ
キーワードは、「世界観」です。
より正確に言うと、「作者の世界観のファンになった人は、その世界観が含まれていれば、何でも買ってくれる」ということですね。
世界観を考えなければ、これは失敗してしまいます。
例えば先日紹介した「中華風ロリータ服」で言うと、ただ単純に「ロリータ服の客層に、釣り道具を売ろう」と思って、「ロリータ服と釣り竿セット」なんて売ろうとしても、売れるはずがありませんよね(笑
ロリータ服を買う人と、釣りを楽しめる感性を持っている人とは、全く違うんですから。
そうではなくて、このデザイナーさんは「中華風ロリータ服」という世界観を持っています。
なら、この世界観を持つものであれば、何でも売れそうだと分かります。
その服に合うバッグであろうが、靴であろうが、アクセサリーだろうが、メイク技術だろうが、コーディネートのノウハウ本だろうが、きっと売れるでしょう。
そういう「自分にとっての世界観を持って、そのファンを作りましょう」、ということです。
すると、その世界観に合うものであれば、何を出しても売れます。
いろんな「世界観」の例
他の例では、最近私がはまっている人で、坂爪圭吾さんがいます。
この方は「できるだけお金を使わずに(貨幣経済からできるだけ遠ざかって)、豊かに生きる」という世界観を持っています。
なら、この方が生き方の本を出そうが、講演だろうが、自作するノウハウを教える教室だろうが、サバイバル技術を教える教材だろうが、私は何だって魅力的に感じます。
それは、「できるだけお金を使わずに、豊かに生きる」という世界観の筋が通っているからですね。
さらに他の例では、私は最近、「ジャンプショップ」という雑誌「ジャンプ」系列のグッズショップに入ったんですよ。
そこはもういろんなキャラクターグッズがあるんですが、私が見知らぬ作品のグッズを前にしても、「これって800円も値段を取ってるけど、原価はこれぐらいだよな……」とか冷静に考えてしまうわけです(笑
でも、後から入ってきた女子中学生2人が私のすぐ横に来て、その2人は互いに「このキャラ最高! もう買い占めたい!」みたいな勢いでわいわい語り合っているんですよ(笑
それは、「そのキャラクター(キャラクターが持つ魅力)に親しみたい」という、これもある意味世界観が通っていますよね。
だから、そのキャラクターの魅力が感じられるものであれば、そのファンに対しては何でも売れます。
同人誌即売会とかでも、「このキャラがメインの同人誌は、お金が許す限り買う!」みたいな人がいるでしょ(笑
今なら「リゼロのレム本が出ていたら、お金が許す限り買う!」とか、「刀剣乱舞のへし切長谷部×三日月宗近の本なら全部買う!」みたいな(笑
これも、人はそんな「触れていたい世界観」を買っていて、「その世界観であれば何でも買う!」ということです。
「自分が持つ世界観」は何か?
なら、「自分が持つ世界観って何だろう?」ということですよね。
その魅力を見極めることです。
そのために、自分にこう問いかけてみるといいでしょう。
「私のファンは、いったいどんな感情を味わうために、私の作品を手に取ろうとしているんだろう?」
すると、自分の魅力が見えてくるかと思います。
で、私の場合、このブログなら、最近は「大好きなことをして、毎日を希望を持って生きていきたい」というテーマを持って書いています。
なら、私のファンの方であれば、ブログのまとめ本を出そうが、ツイートまとめ本を出そうが、ノウハウ本でも、メルマガでも、講演でも、何でも「あやえもさんの世界観に触れていたい!」と感じるんじゃないかなと思います。
漫画の場合、どんな感情を味わうのか、という切り口もあるかもしれません。
ただ単純に「漫画のファンに、釣り教室をしよう」とか、「漫画を買ってくれた人に、美術品を売ろう」とか思っても、売れることはほとんどないでしょう。
ですが、例えばアクション漫画を描いていて、スリリングな駆け引きが好きな場合、そのスリリングな駆け引きを釣りや美術品売買で味わえるのであれば、ファンは釣りや美術品を味わってくれます。
それは、ちゃんと世界観の筋が通っているからですね。
まとめ
そんな風に、「世界観」を中心に考えてみるといいでしょう。
「その世界観のファンになった人は、その世界観が含まれていれば、何でも買ってくれる」ということですね。
その世界観というのは、作者の好きなことでもあり、ある意味「作者の生き方」と言えるかもしれません。
ファンは、「私もそんな感動を味わいたい! そんな生き方をしたい!」と感じるから、触れていたんだと。
もちろん、最初はいくつもの世界観を出してみて、複数のファンや客層を持っているのでかまいません。
私だって、写真加工技術の客層と、自己啓発本のファン、シナリオ技術のファン、ゲームや小説のファンは、全部それなりにズレていますからね。
でも、それぞれの分野においては、自分なりの世界観が出ているわけです。
こう考えると、ニッチなビジネスでは「商品」なんて比較的どうでもよくて、「世界観」が重要だと分かるんじゃないかな、と思います。
で、「世界観を極めるほど、売れる」というのが分かるかなと思います。
ということで、今日は「商品を売るのではなくて、世界観を売ろう」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。