今日は、ビジネス的なお話です。
「人生の楽しみ方を価値にしてゆく」、という考え方についてのお話をしてみましょう。
「ピザ体験」を分かりやすく伝えた例
今日も今日とて、面白いツイートを見つけたのでご紹介。
「ピザ」と「ピッツァ」って実は違う食べ物だったんです。 pic.twitter.com/sBigJ5hxcM
— なぐも。1日目東A-20b (@nagumon) August 5, 2016
ピッツァってどれも同じに見えて、頼みづらかった経験ありませんか? pic.twitter.com/zFWQiyGhit
— なぐも。1日目東A-20b (@nagumon) October 1, 2016
「好きなこと」を、分かりやすく伝える
見ての通り、ピザについてのインフォグラフィック(情報や知識をビジュアルで理解できる画像)です。
以前も触れましたが、知識やノウハウを売りたい場合、こういう風にビジュアル化することで、分かりやすく説明することができます。
「インフォグラフィック」と言うと、どうしてもデザイン的なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、こういう風にキャラクター絵を用いて説明するのも、親しみやすくてアリですよね。
こういうキャラ絵でインフォグラフィックを見るのは珍しかったので、私の中では結構インパクトがあったり。
ちなみにこの画像の作者は漫画家のなぐも。さんで、いろんなものを食べ歩くのが好きなようで、ツイッターでもいろんな食べ物ネタを話しています。
すなわち、「絵が好き」×「二次元キャラ(艦これのキャラ)が好き」×「食べ物について語る(教える)のが好き」という、大好きなことを掛け合わせた内容になると。
大好きなことを価値にした、いいスタイルですよね。
ファンは、作者の体験を味わいたい
で、こういうのって、面白いですよね。
こういうピザとピッツァの違いとか見せられると、両方とも食べてみたくなりますし(笑
そしてこういう時に、「ここで買って食べられるよ」とか、「今度両者を味わうオフ会(もしくはイベント)を開催します!」とか言われると、もう俄然買ってみたり、オフ会とかイベントに参加したくなるでしょ(笑
すなわち、ファンの人は、作者が感じている体験や感動を味わいたいんですよ。
「あの人のような感動を味わって、自分の人生を充実させたい」という感覚ですよね。
だから、ファンになると。
ものや情報よりも、「人生の楽しみ方(=体験)」が求められる時代
今の時代に何が求められているのかというと、「人生の楽しみ方」なんですよね。
自分なりに、人生を楽しく過ごしたい、そんなノウハウが求められているわけです。
というのも、今の時代、もはやものも情報もあふれてきて、価値が置かれなくなりました。
生活に必要なものはだいたいあるものですし、情報は既に「情報が多すぎるから、どうやって不要な情報を表示させないか」という次元に入ってきたぐらいですから。
すると、自然と人はより上の欲求を満たしたくなります。
それが、「人生をより楽しむ」ということですね。
だから、今の人は他の人の「人生の楽しみ方」をどんどん取り入れて、より高い満足を味わいたいと思っていると。
「自分なりの感動」に価値がある
そういうこともあって、これからは「その人なりの世界観や感性(=楽しみ方)」が、価値の中心となっていくと思ってます。
特に、「その人にしか味わえなかった体験」というのは、とても面白いものです。
例えば上記のピザとピッツァの例だって、食べ歩きが大好きな人から、「ピッツァは生地を味わうんだって教わって食べてみたら、本当に違って感動した! 今まで気づかずに普通に食べていたけど、世界が変わった!」って言われると、味わってみたくなりますよね。
それとか、例えば虐待を受けた人がいて、その人が「僕は、虐待を受けてろくに食べられなかった背景を持っている。だから僕にとっては、こういうおにぎり一つでも、食べられる瞬間が幸せなんだ」とか言われるとどうでしょう。
そしてそこで、おにぎり一つを出されるわけです。
すると、たとえ平凡なおにぎり一つだったとしても、「これが、あの人の味わっているおにぎりの味なのか。確かにおいしく感じられるよなぁ」と、感動して味わえますよね。
すなわち、新たな楽しみ方が分かるわけです。
「そっか、普段意識していなかったピッツァの生地って、味わいがあるんだ」、「そっか、確かにこういう状況を考えると、こんな普通のおにぎりでも、深い味わいがあるな」みたいな。
これは表現を変えると、「実力やクオリティはさほど関係ない」、ということです。
だって、平凡なおにぎり一つでも、体験を与えれば感動できるんですから。
一つ一つのクオリティではなくて、人生の楽しみ方ですね。
で、そんな「人生の楽しみ方の体系」を、私は「世界観」と呼んでいます。
まとめ
そういう風に、これからは「人生の楽しみ方」という軸で、自分が売るものを見ていくといいかもしれません。
すると、クオリティが低くても感動を与えることができて、ファンができて、突破口が開けたりするんですよね。
情報とかクオリティを売るんじゃなくて、「人生の楽しみ方」を売るんだと。
それは、「自分の人生を大きく楽しめる人ほど豊かになる」、とも言えます。
自分独自の人生を楽しめば楽しむほど、そしてそれを分かち合えば分かち合うほど、独自性を出せて、豊かになる時代なんだと。
こういう切り口で試してみるのも、一つの現状を変えるアプローチになるかなと思います。
ということで、今日は「人生の楽しみ方を価値にしてゆく」、という考え方についてお話をしてみました。
今日はここまで~。
蛇足
ちなみに上記インフォグラフィック作者の漫画家さんは、こういう同人誌を出されています。
夏コミ新刊「赤城さんの鎮守府食べある紀行総集編」書店委託中です。
とら https://t.co/ed2cXQJD4W
メロン https://t.co/DkeM0Kx2HR
ZIN https://t.co/AmdCK05QF3 pic.twitter.com/2Telen6W80— なぐも。1日目東A-20b (@nagumon) August 16, 2016
↑これの4枚目の画像を見たら分かるんですが、これ、同人誌ですよ。
本の体裁からしても、ページ数からしても、もはや普通のコミックとしか見えませんよね。
今は個人でも、既にこういうきちんとしたコミックの形を、少部数から作れるようになっています。
まあ少部数印刷の場合は当然値段は高くなって、この本の販売価格は1冊1,800円ぐらいと通常の2倍ぐらいの価格設定なんですが。
でも、それでもファンの人は買ってくれるんですよね。
ほんと、個人でもいろんなことができるようになった、いい時代ですよね。