今日は、ビジネスを作るための、クリエイティブなお話をしてみましょう。
「好きなことを純化させると、戦略はたくさん見えてくる」、というお話です。
好きなことを純化すれば、新たな表現形式が見つかる
先日の記事で、「集中力が続かない場合、自分でその純化した分野を作ればいい」と言いましたよね。
例えば「漫画を描きたい」と思っていたとしても、漫画にはプロットからネーム、下書き、ペン入れ、トーン、仕上げまで、いろんな工程があるものです。
「小説を書きたい」と思っていたとしても、プロットから執筆、表現チェック(推敲)、誤字脱字チェック、表紙作り、電子書籍作り、販売店に登録、みたいな多くの過程があるもので。
で、そんなときに頭痛を抱えていたり、健康面で制約があったりすると、全てをすることなんてできませんよね。
そういうときは、勝手に分野を純化してしまえばいいんですよ。
すなわち、「嫌なことはやらない」ということですね。
例えば漫画でも、「ペン入れとトーン、仕上げがしんどい。ストーリー部分を作りたい」っていう場合、いっそそれをしなければいいんですよ。
以前ツイッターで見た画像で、「こういう表現もアリなのか」って感じたものがあったので、ご紹介してみましょう。
【漫画】胸の大きい子にとっての悩み。【肩こり編】 #コンプレックスガールズ pic.twitter.com/AQ55llatdi
— ふしみ彩香@3日目東E07b (@tibinos) August 7, 2016
これはペン入れもなし、トーンもなし、ラフな背景、セリフも手描きで、だいぶ手抜きの作品ですよね。
でもしっかりと漫画になっていて、見栄えもそれなりにきれいで、面白いですよね。
「面白さの本質」さえ失わなければ、「全体の価値」は変わらない
だいたいペン入れから仕上げまでって、とんでもなく時間がかかるものじゃないですか。
その費用対効果を考えた場合、実は思い切って不要なことを手放して、簡単にごまかすぐらいでもいいことが多いんですよ。
すなわち、「面白さの本質」さえ失わなければ、「全体の価値」はさほど変わらない、ということです。
むしろ、時間がかかる部分を手放すことで、作者にとって面白いことや大好きなことに集中できるので、エネルギーも出るし、価値をより多く作れるようになります。
これで不都合が出るのは、「権威者に認められよう」とする場合のみです。
権威者に認められるなら、権威者が認める形式にしないといけませんからね。
その象徴が、新人賞のような「投稿形式」に代表されるしがらみです。
ですが、「ファンに届けよう」と思ったら、そんなしがらみなんて全くの無意味になります。
むしろ、ファンに届けることを考えれば、無駄なものはそぎ落として「面白さの本質」に特化した方が喜んでもらえます。
(権威者に認められるよりも前に、ファンを作ることをおすすめします。その理由はこの記事でもご覧ください)
部品化すると、いろんなアプローチが見えてくる
で、実は面白さの本質に特化すればするほど、新たな可能性が見えてきます。
というのも、「面白さの本質」に特化すれば、いろんな場所に部品として組み込めるようになるので、扱いやすくなるんですよ。
これは言うなれば、「部品化する」とも言えるでしょう。
例えば時計で言うと、「時計そのもの」を売ろうとした場合、時計市場でしか売れないじゃないですか。
でも、その中で「ゼンマイ」とか「歯車」とかに特化すれば、車とか工業製品ならいろんな場所で組み込めるようになります。
そして、その特化したものは「自分にとって大好きで、得意なこと」なので、実は「時計そのもの」を売るよりも、競争力が出るものなんですよ。
例えば私の場合、現在では「プロット作り」に特化しつつあります。
なら、いろんなアプローチが見えてきます。
一例を挙げてみましょう。
- プロットの作り方を教材としてリリースする(過去の教材のこと)
- 王道プロットのテンプレートを教材としてリリースする(「ストーリー作家のネタ帳」のこと)
- プロット作品集を作る
- 他の人のプロットを作る(ストーリー原作を担当する)
- 他の人のプロットを手直しする
- プロットの素材集を作る
いろいろアプローチはありますよね。
しかも、物語を作っているところであればどこにでも組み込めるので、ターゲットは山ほどできます。
「プロット」という形で部品化することで、可能性は一気に広がります。
なら、後は「どれが当たりそうかな?」といろいろ軽く試してみて、一番手応えがあったものに集中すればいいわけです。
道は山ほどあるので、一つがつぶれても他の手段があります。
だから大好きなことをして、競争力を保ちつつ、ファンも安定して、収入が安定して、長期的に安心していられるわけです。
まとめ
そんな風に、好きなことに特化して純化するほど、可能性は見えてきます。
そしてファンを楽しませつつ、いろんな場所で使えるようになるので、戦略が見えてくるわけですね。
可能性が見えないのは、「この形式でなきゃダメだ」と思い込んでいるからのように思います。
漫画で言うと、「市販雑誌やコミックのような漫画形式」だけが漫画だと思い込んでいるわけですね。
そうではなくて、もっと自分の大好きなことに絞り込んでみましょうと。
そして、それをファンに与えていきましょうと。
嫌なことを捨てれば捨てるほど、可能性は開けます。
すると、一気に面白くなりますから。
人は希望が持てれば、楽しくなりますからね。
ということで、今日は「好きなことを純化させると、戦略はたくさん見えてくる」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。